特開2019-203528(P2019-203528A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-203528案内駆動装置および案内駆動装置を使用した表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-203528(P2019-203528A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】案内駆動装置および案内駆動装置を使用した表示装置
(51)【国際特許分類】
   F16M 13/00 20060101AFI20191101BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20191101BHJP
   F16C 29/02 20060101ALI20191101BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20191101BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
   F16M13/00 S
   G09F9/00 312
   F16C29/02
   B60R11/02 C
   G09F9/00 350Z
   B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-97565(P2018-97565)
(22)【出願日】2018年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 一成
【テーマコード(参考)】
3D020
3D344
3J104
5G435
【Fターム(参考)】
3D020BA05
3D344AA00
3D344AB01
3D344AC25
3J104AA43
3J104AA63
3J104AA65
3J104DA20
3J104EA10
5G435AA00
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE13
5G435EE18
5G435EE50
5G435GG42
(57)【要約】
【課題】 移動体を湾曲軌跡に沿って移動させることができる案内駆動装置および案内駆動装置を使用した表示装置を提供する。
【解決手段】 直線軌跡に沿って延びる直線案内部11と、その両側に湾曲案内部12が設けられている。移動体3には直線案内部11でX1−X2方向にのみ拘束されて移動する第1移動部16と、湾曲案内部12の湾曲部であるレール部14に案内されて移動する第2移動部17が設けられている。駆動機構30では、直線案内部11に案内されて移動するスライダ31が設けられ、モータの力でスライダ31が上方へ移動し、スライダ31によって第1移動部16が持ち上げられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と、前記移動体を案内する案内部と、前記移動体に前記案内部に沿う移動力を与える駆動機構と、が設けられた案内駆動装置において、
前記案内部は、直線案内部と、前記直線案内部を挟む両側に位置する少なくとも2つの湾曲案内部とを有し、
それぞれの前記湾曲案内部は、前記直線案内部と前記湾曲案内部とが並ぶ並び方向と、前記直線案内部の延びる直線方向と、の双方向に交差する前後方向に向けて湾曲する湾曲部を有しており、
前記移動体に、前記並び方向に拘束されて前記直線案内部に沿って移動する第1移動部と、それぞれの前記湾曲案内部に倣って移動する第2移動部と、が設けられていることを特徴とする案内駆動装置。
【請求項2】
前記直線案内部は前記直線方向に延びる断面が円形の案内軸で、前記第1移動部が前記前後方向に延びる溝または長穴を有しており、
前記溝または長穴の内部に前記案内軸が位置し、前記溝または長穴と前記案内軸とが、前記直線方向および前記前後方向に摺動する請求項1記載の案内駆動装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記直線案内部に案内されて直線軌跡で移動するスライダと、前記スライダの移動力を前記移動体に伝達する伝達部と、を有している請求項1または2記載の案内駆動装置。
【請求項4】
前記伝達部には、前記スライダと前記移動体とを連結する伝達リンクが設けられている請求項3記載の案内駆動装置。
【請求項5】
前記第1移動部が、前記直線案内部に案内されて直線軌跡で移動するスライダを有し、前記スライダと前記移動体とが伝達リンクを介して連結されており、前記伝達リンクの回動により、前記スライダと前記移動体との前記前後方向の距離が変化できる請求項1記載の案内駆動装置。
【請求項6】
前記駆動機構には、移動力を前記スライダに伝達する駆動リンクが設けられている請求項5記載の案内駆動装置。
【請求項7】
前記スライダを駆動するモータが設けられており、前記モータの移動力が前記スライダに作用する作用点と、前記直線案内部の中心線とが、前記前後方向に並んで配置されている請求項3ないし6のいずれかに記載の案内駆動装置。
【請求項8】
前記湾曲案内部と前記第2移動部は、一方がレール部を有し、他方が前記レール部を挟んで摺動する挟持摺動部を有している請求項1ないし7のいずれかに記載の案内駆動装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の案内駆動装置を有し、前記移動体に表示パネルが搭載されており、前記表示パネルの表示方向が前記湾曲部の突方向に向けられていることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体を湾曲軌跡に沿って移動させることができる案内駆動装置、および前記移動体に表示ユニットが搭載された表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、チルト機構およびこれを備えた表示装置に関する発明が記載されている。
【0003】
このチルト機構は、中央部に、直線状に延びる案内シャフトと同じく直線状に延びるリードスクリューとが平行に配置されている。キャリッジは案内シャフトに案内されるとともにリードスクリューに螺合しており、モータの動力でリードスクリューを駆動することで、キャリッジが昇降動作する。コンバイナを支持しているプレート支持部材は、案内ボスを介してキャリッジに回動自在に連結されており、さらにプレート支持部材の両側部が第1と第2のガイドレールにそれぞれ案内されている。それぞれのガイドレールには、直線状に延びるカム案内溝が設けられており、カム案内溝の上端部に屈曲部を介してチルト案内溝が形成されている。
【0004】
リードスクリューの回転によってキャリッジが直線的に上昇すると、キャリッジに連結されているプレート支持部材が、直線状に延びるカム案内溝に案内され、姿勢を変えることなく直線軌跡に沿って上昇する。そして、キャリッジが最上部に移動する直前に、プレート支持部材が、カム案内溝の屈曲部からチルト案内溝に導かれて、プレート支持部材とこれに支持されているコンバイナがウインドシールドガラス側に向けて傾斜させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−219356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたチルト機構およびこれを備えた表示装置は、プレート支持部材に支持されているコンバイナが、そのほとんどの行程で直線軌跡に沿ってのみ上昇し、上昇動作の最終段階で急激に傾く構造である。この構造では、コンバイナが最終段階で急激に傾くため、コンバイナが傾く動作が滑らかではなく、ぎこちない動作に見えてしまう。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、移動体を湾曲軌跡に沿って滑らかに移動させることができ、さらに、湾曲軌跡に沿って移動する移動体を、過大な負荷を有することなく移動させることができる案内駆動装置および案内駆動装置を使用した表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、移動体と、前記移動体を案内する案内部と、前記移動体に前記案内部に沿う移動力を与える駆動機構と、が設けられた案内駆動装置において、
前記案内部は、直線案内部と、前記直線案内部を挟む両側に位置する少なくとも2つの湾曲案内部とを有し、
それぞれの前記湾曲案内部は、前記直線案内部と前記湾曲案内部とが並ぶ並び方向と、前記直線案内部の延びる直線方向と、の双方向に交差する前後方向に向けて湾曲する湾曲部を有しており、
前記移動体に、前記並び方向に拘束されて前記直線案内部に沿って移動する第1移動部と、それぞれの前記湾曲案内部に倣って移動する第2移動部と、が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の案内駆動装置は、前記直線案内部が前記直線方向に延びる断面が円形の案内軸で、前記第1移動部が前記前後方向に延びる溝または長穴を有しており、
前記溝または長穴の内部に前記案内軸が位置し、前記溝または長穴と前記案内軸とが、前記直線方向および前記前後方向に摺動するものである。
【0010】
本発明の案内駆動装置では、前記駆動機構が、前記直線案内部に案内されて直線軌跡で移動するスライダと、前記スライダの移動力を前記移動体に伝達する伝達部と、を有している。
【0011】
例えば、前記伝達部には、前記スライダと前記移動体とを連結する伝達リンクが設けられている。
【0012】
本発明の案内駆動装置は、前記第1移動部が、前記直線案内部に案内されて直線軌跡で移動するスライダを有し、前記スライダと前記移動体とが伝達リンクを介して連結されており、前記伝達リンクの回動により、前記スライダと前記移動体との前記前後方向の距離が変化できるものとして構成できる。
【0013】
この場合に、前記駆動機構に、移動力を前記スライダに伝達する駆動リンクが設けられていることが好ましい。
【0014】
本発明の案内駆動装置は、前記スライダを駆動するモータが設けられており、前記モータの移動力が前記スライダに作用する作用点と、前記直線案内部の中心線とが、前記前後方向に並んで配置されていることが好ましい。
【0015】
本発明の案内駆動装置は、前記湾曲案内部と前記第2移動部は、一方がレール部を有し、他方が前記レール部を挟んで摺動する挟持摺動部を有しているものとして構成できる。
【0016】
本発明の表示装置は、前記いずれかに記載の案内駆動装置を有し、前記移動体に表示パネルが搭載されており、前記表示パネルの表示方向が前記湾曲部の突方向に向けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、表示ユニットなどを搭載した移動体が、湾曲部を有する湾曲案内部に倣って移動し、その移動行程で姿勢が徐々に変化する。そのため、移動体の姿勢の変化が滑らかであり、動作外観が良好になる。また、移動体は直線案内部によっても案内されるため、移動体と直線案内部との間の摩擦負荷が大きくならず、移動体を比較的低負荷で円滑に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態の案内駆動装置を使用した表示装置において、移動体が初期姿勢の状態を後方から示す斜視図、
図2図1に示す案内駆動装置を使用した表示装置において、一部の部品を取り除いた状態を後方から示す斜視図、
図3】本発明の第1実施形態の案内駆動装置を使用した表示装置において、移動体が移動完了姿勢となった状態を、一部の部品を取り除いて後方から示す斜視図、
図4】第1実施形態の案内駆動装置の一部の部品を分離させた状態を後方から示す分解斜視図、
図5】第1実施形態の案内駆動装置を、図4に示すV−V線に相当する切断線で切断した断面図であり、(A)は移動体の初期姿勢を示し、(B)は移動体の移動完了姿勢を示す、
図6】第1実施形態の案内駆動装置における右側の湾曲案内部と、スライダの一部と、第2移動部の構造を示す部分分解斜視図、
図7】第1実施形態の案内駆動装置を、図6に示すVII−VII線に相当する切断線で切断した断面図であり、(A)は移動体の初期姿勢を示し、(B)は移動体の移動完了姿勢を示す、
図8】本発明の第2実施形態の案内駆動装置を使用した表示装置の一部を後方から示す部分斜視図、
【発明を実施するための形態】
【0019】
<表示装置1の構成>
図1図2および図3に示す本発明の第1実施形態の表示装置1は、案内駆動装置10を有している。表示装置1および案内駆動装置10は、Y1方向が前方で、Y2方向が後方で、Y1−Y2方向が前後方向である。また、Y1方向は表示装置1の表示方向である。X1方向は後方から見たときの右方向、X2方向は後方から見たときの左方向であり、X1−X2方向が左右方向である。Z1方向は上方でZ2方向が下方である。本明細書での前後方向(Y1−Y2方向)および左右方向(X1−X2方向)は、自動車の室内などの絶対空間内での水平方向などを意味しているのではなく、表示装置1および案内駆動装置10の構造上の相対的な方向を意味している。したがって、自動車の室内などの絶対空間内において、前後方向(Y1−Y2方向)または左右方向(X1−X2方向)が、水平方向と垂直方向の双方に90度以下の角度を有して配置されることもある。
【0020】
図1に示すように、案内駆動装置10は、支持基台2を有しており、支持基台2の前方(Y1方向)に移動体3が支持されている。移動体3は、図1図2に示すように下方(Z2方向)に移動して停止しているときが初期姿勢であり、図3に示すように上方(Z1方向)へ移動して停止しているときが移動完了姿勢である。移動体3は、初期姿勢と移動完了移動との間で湾曲軌跡に沿って移動する。湾曲軌跡の突方向はY1方向であり、湾曲軌跡の曲率半径の向く方向は前後方向(Y1−Y2方向)である。
【0021】
案内駆動装置10の移動体3に表示ユニットが搭載されたものが本発明の実施形態の表示装置1である。表示ユニットは、カラー液晶表示セルやエレクトロルミネッセンス表示セルを有しており、その表示画面は、前方(Y1方向)に向けられている。表示装置1は車載用であり、支持基台2は車室内のインストルメントパネルやダッシボードの表面に固定され、またはダッシュボードの内部に収納されて固定されている。表示ユニットを搭載した移動体3は、インストルメントパネルやダッシボードの表面で湾曲軌跡に沿って上下方向へ移動し、または、ダッシュボードの内部に収納された初期姿勢から湾曲軌跡に沿って上方へ突出して移動完了姿勢となる。
【0022】
なお、案内駆動装置10の移動体3は、表示ユニットを有するものに限られず、例えば、移動体3がヘッドアップディスプレイにおいて表示画像が投影されるコンバイナであってもよい。または、移動体3が表示パネルと共に操作部を有してもよいし、表示パネルなどを有することなく操作部のみを備えたものであってもよい。
【0023】
案内駆動装置10の支持基台2は金属板をプレス成形して形成されている。図2図3には、支持基台2が除去された構造が示されている。図2図3に示すように、案内駆動装置10は直線案内部11を有している。直線案内部11は断面が真円形の棒状の案内軸である。直線案内部11は上下方向(Z1−Z2方向)へ直線状に延びており、その上端部と下端が、支持基台2に固定されている。直線案内部11の右側(X1側)と左側(X2側)に湾曲案内部12が設けられている。第1実施形態では、湾曲案内部12が左右1個ずつ設けられており、直線案内部11から右側の湾曲案内部12までの距離と、直線案内部11から左側の湾曲案内部12までの距離が同じである。ただし、移動体3の寸法や質量に応じて、湾曲案内部12が3個または4個など設けられていてもよい。
【0024】
それぞれの湾曲案内部12は金属板からプレス成形されたものであり、あるいは合成樹脂材料で射出成形されている。湾曲案内部12は固定板部13とレール部14とが一体に形成されている。図5(A)(B)に示すように、固定板部13とレール部14は互いに直角に形成されている。図1に示すように、湾曲案内部12の固定板部13は、支持基台2の左右側壁2aの外面に設置され、固定ねじ15によって支持基台2に固定されている。一対の湾曲案内部12のそれぞれに設けられたレール部14は、支持基台2の前方において、左右方向(X1−X2方向)で互いに対向している。
【0025】
図7(A)(B)に示すように、湾曲案内部12とレール部14は前方(Y1方向)に突側が向くように湾曲しており、レール部14は、その全体が一律の曲率で湾曲する湾曲部となっている。直線案内部11と2個の湾曲案内部12が並ぶ「並び方向」はX1−X2方向である。湾曲部であるレール部14の湾曲の突方向はY1方向であり、レール部14の曲率半径の向く方向は、X1−X2方向と交差する(直交する)Y1−Y2方向である。なお、レール部14は場所によって曲率半径が相違する湾曲形状であってもよい。また、レール部14はその一部が湾曲部で他の部分が直線軌跡で形成されていてもよい。例えば上下の中央部がY1方向に突側が向く湾曲部であり、上端部と下端部の少なくとも一方が直線軌跡で形成されていてもよい。
【0026】
移動体3は、表示ユニットを保持するケースを有しており、ケースの背面が移動体3の背面3aとなっている。図4に示すように、移動体3を左右方向(X1−X2)に二分する中央部に、第1移動部16が設けられ、第1移動部16を挟んでX1側とX2側に第2移動部17が設けられている。第1移動部16と第2移動部17は、移動体3のケースと一体に形成され、あるいは移動体3の背面3aにねじ止めなどの手段で固定されている。第1移動部16から右側の第2移動部17までの距離と、第1移動部16から左側の第2移動部17までの距離は同じである。第2移動部17は湾曲移動部であり、第1移動部16は案内移動部である。
【0027】
図4および図5(A)(B)に示すように、第1移動部16は、移動体3の背面3aから後方(Y2方向)に向けて突出する第1摺動部であり、第1移動部16には前後方向(Y1−Y2方向)に延びる溝16aが形成されている。溝16aのX1−X2方向の開口幅は、直線案内部11の直径寸法とほぼ一致している。直線案内部11は溝16aの内部に摺動自在に挿入されており、第1移動部16および移動体3は、直線案内部11によって、直線案内部11と湾曲案内部12との並ぶ方向(X1−X2方向)へのみ拘束されている。第1移動部16および移動体3は、直線案内部11に対して、前後方向(Y1−Y2方向)に向けて相対的に移動可能である。なお、第1移動部16に長手方向が前後方向に向けられた長穴が形成され、この長穴内に直線案内部11が摺動自在に挿入されて、第1移動部16が直線案内部11にX1−X2方向にのみ拘束されて摺動できるように構成されてもよい。
【0028】
直線案内部11の中心線および第1移動部16の溝16aの中心線と、移動体3の重心を通ってZ1−Z2方向に延びる重心線とは、前後方向(Y1−Y2方向)で一致する位置で、同じZ−Y平面内に位置し、互いに平行に対向していることが好ましい。よって、移動体3の重心がX1−X2方向での中心から左右いずれかの方向に偏っているときには、直線案内部11および第1移動部16の溝も、重心線と前後方向で平行に重なることができるように、中心から左右いずれかへ偏った位置に設けられることが好ましい。
【0029】
図5(A)(B)および図6に示すように、第2移動部17は、移動体3の背面3aから後方へ突出して設けられている。それぞれの第2移動部17には、挟持摺動部18が設けられている。挟持摺動部18は第2移動部17において上下方向に間隔を空けて配置されている。それぞれの挟持摺動部18には、レール部14に向けて開口する摺動凹部18aが形成されている。摺動凹部18aの内部にレール部14が摺動自在に挿入され、挟持摺動部18はレール部14を挟んで湾曲軌跡に沿って上下方向へ摺動できるようになっている。
【0030】
なお、前記実施形態とは逆に、湾曲案内部12に、湾曲した形状の挟持摺動部が設けられ、第2移動部17に、上下に短いレール部が上下に間隔を空けて設けられ、このレール部が、湾曲案内部12の挟持摺動部に形成された摺動凹部に摺動自在に挿入されていてもよい。
【0031】
図6に示すように、それぞれの第2移動部17では、上下に位置する挟持摺動部18の間に一対の挟持ローラ21が設けられている。それぞれの挟持ローラ21はローラレバー22に回転自在に支持されており、ローラレバー22は第2移動部17に回動自在に支持されている。図示が省略されているが、それぞれのローラレバー22は、トーションばねによって、一対の挟持ローラ21が互いに圧接される方向へ回動付勢されている。図7(A)(B)に示すように、一対の挟持ローラ21によって、レール部14が前後方向(Y1−Y2方向)から挟持されており、第2移動部17はレール部14の湾曲軌跡にそってがたつきを生じることなく移動できるようになっている。
【0032】
図2図3および図4に示すように、案内駆動装置10には駆動機構30が設けられている。駆動機構30にスライダ31が設けられている。スライダ31は金属板をプレス加工して形成されている。スライダ31の左右方向の中央部には、上端部からY1方向へ折り曲げられた上部軸受け片31aと、下端部からY1方向へ折り曲げられた下部軸受け片31bとが設けられている。図4および図5(A)(B)に示すように、上部軸受け片31aと下部軸受け片31bに摺動軸受け部材32が保持されており、直線案内部11は上下に保持された摺動軸受け部材32に摺動自在に挿入されている。
【0033】
上部軸受け片31aは、移動体3の背面3aに設けられた第1移動部16の上面に密着し、下部軸受け片31bは、第1移動部16の下面に密着しており、第1移動部16は、上部軸受け片31aと下部軸受け片31bとの間で上下にがたつきを生じることなく挟持されている。
【0034】
図2図3および図4に示すように、スライダ31の右側端部および左側端部と、左右の第2移動部17との間に伝達部35が設けられている。それぞれの伝達部35に伝達リンク36が設けられている。伝達リンク36の上部は、スライダ31の左右両側部に折り曲げられた連結片31cに連結軸37aを介して回動自在に連結され、伝達リンク36の下部は、それぞれの第2移動部17に連結軸37bを介して回転自在に連結されている。
【0035】
図1に示すように、駆動機構30には、支持基台2の後方に向く外面2bにモータ41とギヤボックス45とが固定されている。図2図3に示すようにギヤボックス45の内部には、モータ41によって回転させられる歯車43と、歯車43によって回転させられるクラッチ歯車44とが回転自在に支持されている。クラッチ歯車44に、Y1方向へ延びるピニオン歯車(図示せず)が設けられている。駆動機構30では、支持基台2の前方(Y1方向)に向く内面に扇歯車46が設けられている。扇歯車46に支持穴46aが形成されており、支持穴46aが、支持基台2の内面に固定された支持軸に回転自在に支持されている。扇歯車46の歯部46bは、クラッチ歯車44と共に回転する前記ピニオン歯車と噛み合っている。扇歯車46には、駆動アーム47が固定されており、駆動アーム47の先部に連結軸47aによって駆動リンク48が回動自在に支持されている。図4に示すように、スライダ31の下部には後方(Y2方向)に延びる駆動作用軸49が固定されており、駆動リンク48の下端部が駆動作用軸49に回転自在に連結されている。
【0036】
モータ41の動力が減速されてピニオン歯車から扇歯車46に伝達され、扇歯車46が回動すると、駆動アーム47の回動力が駆動リンク48を介して駆動作用軸49に作用し、スライダ31が直線案内部11に案内されて上下方向へ移動させられる。モータの動力による移動力がスライダ31に作用する作用点は、駆動作用軸49の中心である。この作用点と、直線案内部11の中心線は、前後方向(Y1−Y2方向)に並んで配置され、作用点と直線案内部11の中心線は、同じY−Z平面内に位置している。
【0037】
次に、表示装置1として使用される案内駆動装置10の動作を説明する。
図1図2では、扇歯車46が時計方向へ回動させられて、スライダ31が直線案内部11に沿って下降させられている。移動体3に設けられた第1移動部16は、スライダ31の上部軸受け片31aと下部軸受け片31bとの間に挟まれているため、スライダ31の下降に伴って第1移動部16も最下端に移動させられている。また、スライダ31の両側部に設けられた伝達部35の伝達リンク36によって、第2移動部17も下降させられている。そのため、図5(A)と図7(A)にも示すように、移動体3は下方(Z2方向)へ移動した初期姿勢となっている。
【0038】
初期姿勢の移動体3は、車室内のインストルメントパネルやダッシボードの表面に沿って下降した姿勢であり、または初期姿勢の移動体3は、ダッシュボードの内部に下降して収納された状態である。
【0039】
移動体3の上部などに設けられた操作部が操作され、またはインストルメントパネルなどに設けられた操作部が操作されて、図示しない制御部から移動体3を上昇させる動作指令が出されると、駆動機構30のモータ41が始動し、扇歯車46が反時計方向へ駆動される。扇歯車46と共に回動する駆動アーム47の回動力は、駆動リンク48からスライダ31の左右中央部に位置する駆動作用軸49に作用し、スライダ31が持ち上げられる。図5(A)(B)に示すように、スライダ31の上部軸受け片31aと下部軸受け片31bに摺動軸受け部材32が保持され、この摺動軸受け部材32が直線案内部11に挿通されているため、スライダ31は直線案内部11に案内されて直線軌跡で上方へ移動させられる。そして、スライダ31の上部軸受け片31aと下部軸受け片31bとの間に挟まれている第1移動部16に上向きに移動力が作用するため、スライダ31と共に移動体3が上方へ向けて移動させられる。このとき、図5(A)(B)に示すように、直線案内部11が第1移動部16の溝16aの内部で挟まれた状態であるため、第1移動部16および移動体3は、左右方向へは動くことなく拘束されながら上方へ移動する。
【0040】
スライダ31の上方への移動力は、スライダ31の左右両側部の連結片31cから伝達リンク36を介して第2移動部17に伝達され、第2移動部17が、湾曲案内部12に案内されて上方へ持ち上げられる。図7(A)(B)に示すように、第2移動部17に設けられた挟持摺動部18が、湾曲案内部12の湾曲部であるレール部14を挟持し、第2移動部17に設けられた一対の挟持ローラ21でレール部14が挟持されている。そのため、第2移動部17は、レール部14の湾曲軌跡に沿ってがたつきを生じることなく上方へ移動する。また、移動体3も、レール部14に倣って湾曲軌跡に沿って上方へ移動する。移動体3が上向きに移動するときに、図5(A)(B)に示すように、移動体3と直線案内部11との間で前後方向(Y1−Y2方向)の距離が変化するが、第1移動部16の溝16aの内部に直線案内部11が位置しているため、相対的な距離の変化を吸収することができる。
【0041】
図3図7(B)に示すように、移動体3の上昇が完了し、移動完了姿勢になると、移動体3のY1方向に向く前面3bが車室内に向けて斜め上向きとなり、前面3bに設けられた表示画面が斜め上向きとなる。
【0042】
第1実施形態の表示装置1は、案内駆動装置10によって、移動体3が前方(Y1方向)に突側が向けられる湾曲軌跡に沿って上方向へ移動して移動完了姿勢となり、移動体3を下方向へ移動させるときも、湾曲軌跡に沿って移動する。湾曲軌跡に沿う移動により、移動体3は、上下方向への移動と傾き動作とが同時に行われることになる。そのため、移動体3の移動が円滑であり、移動体3の移動動作の品位を向上させることが可能になる。
【0043】
案内駆動装置10では、移動体3が湾曲軌跡に沿って移動するが、スライダ31は直線案内部11に案内されて直線動作するため、モータ41の動力をスライダ31に伝達する駆動機構30が複雑化することなく、スライダ31を直線案内部11に沿って円滑に移動させることが可能である。
【0044】
移動体3には、左右の中央部に第1移動部16を有しており、図4に示すように、第1移動部16には、上下方向(Z1−Z2方向)に間隔を空けて溝16aまたは長穴が形成され、あるいは上下方向(Z1−Z2方向)に高さ寸法を有する溝16aまたは長穴が形成され、この溝16aまたは長穴が直線案内部11を摺動している。そのため、移動体3はX−Z平面内で傾きにくい状態で上下に移動できるようになる。
【0045】
スライダ31にモータ41からの移動力が作用する作用点(駆動作用軸49の中心)は、移動体3の左右方向の中心で、且つスライダ31の左右方向の中心に位置し、この作用点と、直線案内部11の中心線とが、前後方向(Y1−Y2方向)に並んでいる。また、直線案内部11の中心線と、第1移動部16の移動中心線、および移動力の作用点(駆動作用軸49の中心)、さらに移動体3の重心の位置が、同じY−Z平面内に位置し、前後方向に並んでいる。そのため、作用点に作用する移動力で、スライダ31と移動体3とが持ち上げられるときに、移動体3とスライダ31に対してX−Z平面内での傾き力がほとんど作用しなくなる。移動体3とスライダ31を常に水平姿勢を保ちながら上下に移動させることができるため、スライダ31の左右両側部から左右の第2移動部17のそれぞれに対して均等な持ち上げ力を与えることができるようになる。
【0046】
また、移動体3が水平姿勢を保ったまま上下に移動するため、第1移動部16と直線案内部11との動摩擦が変動しにくく、第2移動部17と湾曲案内部12との間の動摩擦も変動しにくくなり、移動体3を低負荷にて上下に移動させることが可能になる。
【0047】
図8に、本発明の第2実施形態の案内駆動装置110を使用した表示装置101が示されている。
【0048】
図8に示す第2実施形態では、前記第1実施形態の案内駆動装置10および表示装置1と同じ機能を発揮する部材は同じ符号を付し同じ名称を使用して説明する。
【0049】
図8に示す案内駆動装置110も、移動体3の背面3aの左右両側に第2移動部17を有している。第2移動部17は、移動体3とは別体に形成されており、背面3aにねじ止めにより固定されている。それぞれの第2移動部17には挟持摺動部18が固定されており、挟持摺動部18に形成された摺動凹部18aが、図8では図示省略している湾曲案内部12のレール部14を摺動する。
【0050】
左右の湾曲案内部12の中間部分に、直線案内部11が設けられている。直線案内部11は、断面が真円形状の棒状の案内軸であり、Z1−Z2方向に直線的に延び、上端部と下端部が支持基台2に固定されている。第2実施形態の案内駆動装置110では、スライダ31が第1移動部として機能している。スライダ31には軸受け部材31eが固定されている。軸受け部材31eは直線案内部11の案内軸に挿通され、スライダ31は、直線案内部11によって並び方向(X1−X2方向)と前後方向(Y1−Y2方向)に拘束され、上下方向(Z1−Z2方向)にのみ摺動自在に支持されている。
【0051】
移動体3の背面3aでは、左右方向の中央部に移動支持ブラケット117が固定されている。第1移動部として機能するスライダ31と移動支持ブラケット117との間は、一対の伝達リンク36で連結されている。スライダ31の左右両側部に折り曲げられた連結片31cとそれぞれの伝達リンク36の上端部とが連結軸37aで回動自在に連結され、伝達リンク36の下端部と移動支持ブラケット117とが連結軸37bで回動自在に連結されている。
【0052】
駆動機構30では、扇歯車46によって回動駆動される駆動アーム47と、スライダ31との間に、駆動リンク48が設けられている。駆動アーム47と駆動リンク48とが、連結軸47aにより回動自在に連結されており、駆動リンク48とスライダ31とが駆動作用軸49によって回動自在に連結されている。モータの動力による移動力がスライダ31に作用する作用点は、駆動作用軸49の中心である。この作用点と、直線案内部11の中心線は、前後方向(Y1−Y2方向)に並んで配置され、作用点と直線案内部11の中心線は、同じY−Z平面内に位置している。
【0053】
図8に示す第2実施形態の案内駆動装置110では、駆動機構30のモータによって扇歯車46が回動させられると、駆動アーム47によって第1移動部であるスライダ31が直線案内部11に沿って直線的に移動させられる。このとき、第2移動部17が湾曲案内部12に倣って移動し、移動体3が湾曲軌跡で昇降移動する。このとき、伝達リンク36が回動することによって、移動体3の移動支持ブラケット117とスライダ31との間の前後方向(Y1−Y2方向)の距離の変化が許容される。
【0054】
第2実施形態の案内駆動装置110においても、スライダ31にモータからの移動力が作用する作用点(駆動作用軸49の中心)が、移動体3の左右方向の中心で、且つスライダ31の左右方向の中心および左右の伝達リンク36の中心に位置し、この作用点と、直線案内部11の中心線とが、前後方向(Y1−Y2方向)に並んでいる。また、直線案内部11の中心線と、スライダ31の移動中心線、および移動力の作用点(駆動作用軸49の中心)、さらに移動体3の重心の位置が、同じY−Z平面内に位置し、前後方向に並んでいる。そのため、作用点に作用する移動力で、スライダ31と移動体3とが持ち上げられるときに、移動体3とスライダ31に対してX−Z平面内での傾き力がほとんど作用しなくなる。
【0055】
本発明の案内駆動装置は以下のような変形が可能である。
例えば、図4図5などに示すように、移動体3の背面3aに溝16aまたは長穴を有する第1移動部16が設けられて、溝16aまたは長穴が直線案内部11を摺動して直線移動するようにし、図8に示すスライダ31と、第1移動部16のX1−X2方向に向く両側面とが、伝達リンク36で連結されている構造であってもよい。また、伝達リンク36を支持する連結軸37bが、第1移動部16と第2移動部17との中間に位置していてもよい。
【0056】
すなわち、本発明の案内駆動装置は、移動体3に設けられた第2移動部17である湾曲移動部が、湾曲案内部12に倣って湾曲軌跡で移動できるようにし、第1移動部となるスライダ31と、移動体3のいずれかの部分とが伝達リンク36で連結されていればよい。
また、直線案内部11は、断面が円形の案内軸に限られず、断面が矩形状であってもよいし、Z1−Z2方向に直線状に延びる断面が凹状または凸状のレールであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 表示装置
2 支持基台
3 移動体
10 案内駆動装置
11 直線案内部
12 湾曲案内部
14 レール部(湾曲部)
16a 溝
16 第1移動部
17 第2移動部
18 挟持摺動部
30 駆動機構
31a 上部軸受け片
31b 下部軸受け片
31 スライダ
35 伝達部
36 伝達リンク
41 モータ
46 扇歯車
47 駆動アーム
48 駆動リンク
49 駆動作用軸(作用点)
101 表示装置
110 案内駆動装置
117 移動支持ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8