特開2020-162907(P2020-162907A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-162907(P2020-162907A)
(43)【公開日】2020年10月8日
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/15 20060101AFI20200911BHJP
   A47C 7/14 20060101ALI20200911BHJP
【FI】
   A47C27/15 A
   A47C7/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-66913(P2019-66913)
(22)【出願日】2019年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長澤 勇
【テーマコード(参考)】
3B084
3B096
【Fターム(参考)】
3B084BA01
3B096AA01
3B096AB05
3B096AC11
3B096AD07
(57)【要約】
【課題】乗員の着座姿勢を予め推奨された着座姿勢でないことを抑制して、座り心地を向上させた車両用シートを提供する。
【解決手段】車両用シート10において、シートクッション20の内部に、可撓性を有する気体非透過性材料の袋状にて形成され、粉体を収容する収容部22を備え、収容部22に気体を送気することにより粉体を流体化させて、収容部22の形状を軟質化にし、収容部22から気体を吸気することにより粉体を固体化させて、収容部22の形状を硬質化する。また、収容部22は、シートクッション20の外周面側から中央側に向けて下方へと傾斜する剛体斜板24を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員の臀部を支持するシートクッションと、乗員の背中を支持するシートバックと、を備えた車両用シートにおいて、
前記シートクッションの内部に、可撓性を有する気体非透過性材料の袋状にて形成され、粉体を収容する収容部と、
前記収容部に気体を送気するとともに、前記収容部から気体を吸気する送吸気部と、を備え、
前記送吸気部は、
前記収容部に気体を送気することにより前記収容部に収容された粉体を流体化させて、前記収容部の形状を軟質化にし、
前記収容部から気体を吸気することにより前記収容部に収容された粉体を固体化させて、前記収容部の形状を硬質化にし、
前記収容部の周縁の少なくとも一端部には、前記シートクッションの外周面側から前記シートクッションの中央側に向けて下方へと傾斜する剛体斜面部を有する、
ことを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
前記剛体斜面部は、
前記シートクッションの前面側から前記シートクッションの中央側に向けて下方へ傾斜する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記剛体斜面部は、
前記シートクッションの左右方向の一方側から前記シートクッションの中央側に向けて下方へ傾斜する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記剛体斜面部は、
前記シートクッションの外周面側から前記シートクッションの中央側に向かって傾斜する略円錐台状の周壁であり、
前記収容部は、前記略円錐台状の周壁の内面側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車両用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートは、乗員それぞれの着座姿勢を考慮することなく、メーカーの推奨する着座姿勢で製造されている。乗員がメーカーの推奨する着座姿勢で着座していない場合、乗員の体の各部に疲れを感じる。また、この種の車両用シートは、乗員の体型も考慮されていない。
【0003】
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1は、可撓性を有する空気非透過性材料によって形成され内部に粉体を流動可能な状態で充填した袋体を座部及び背当部に配置した車両用シートを開示している。特許文献1に開示されている車両用シートは、着座者の体重により袋体内の粉体を流動させ座部及び背当部の表面を乗員の着座姿勢に合わせた凹凸面に形成し、袋体内から空気を吸引することによって袋体内の粉体の位置を固定させ座部及び背当部の表面の凹凸面を維持している。
【0004】
また、特許文献2には、表皮部材とクッション体との間に粉体として発泡プラスチック粒子を充填した複数の気密袋を配置した車両用シートを開示している。特許文献2に開示されている車両用シートは、複数の気密袋内を減圧して発泡プラスチック粒子同士を密着、固化させることによって表皮部材の全面を乗員の着座姿勢に合わせた凹凸面を維持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−229930公報
【特許文献2】実開平4−115448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている車両用シートは、乗員の着座姿勢が予め推奨された着座姿勢でない場合には、その特殊な着座姿勢が保持されてしまう。
ここで、車両に搭載される車両用シートにおいては、乗員の着座姿勢が予め推奨された着座姿勢でない場合には、安全性の面からも、乗員に対して、予め推奨された着座姿勢に座り直してもらうことが望まれていた。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決するものであり、乗員の着座姿勢が予め推奨された着座姿勢でないことを抑制して、座り心地を向上させた車両用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の車両用シートは、乗員の臀部を支持するシートクッションと、乗員の背中を支持するシートバックと、を備えた車両用シートにおいて、前記シートクッションの内部に、可撓性を有する気体非透過性材料の袋状にて形成され、粉体を収容する収容部と、前記収容部に気体を送気するとともに、前記収容部から気体を吸気する送吸気部と、を備え、前記送吸気部は、前記収容部に気体を送気することにより前記収容部に収容された粉体を流体化させて、前記収容部の形状を軟質化にし、前記収容部に気体を吸気することにより前記収容部に収容された粉体を固体化させて、前記収容部の形状を硬質化にし、前記収容部の周縁の少なくとも一端部には、前記シートクッションの外周面側から前記シートクッションの中央側に向けて下方へと傾斜する剛体斜面部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、乗員の着座姿勢を予め推奨された着座姿勢でないことを抑制して、座り心地を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る車両用シートを備えた車両における車内の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る車両用シートの斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る車両用シートのシートクッションにおいて、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。
図4】本発明の実施形態に係る車両用シートの電気的構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係る車両用シートに乗員が着座している状態において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。
図6】本発明の実施形態の変形例に係る車両用シートの断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る車両用シートについて、図1図6を参照しながら説明する。ただし、以下に説明される実施形態は、本発明のいくつかの例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
[車両用シートの概略構成]
本発明の実施形態に係る車両用シート10の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。
【0013】
図1は、車両用シート10を備えた車両1における車内の斜視図である。また、図2は、車両用シート10の斜視図である。
【0014】
図1に示すように、車両1における車内には、インストルメントパネル2よりも後方に設置されているフロントシート3と、フロントシート3よりも後方に設置されているリアシート4とが配置されている。また、フロントシート3は、運転席用のフロントシート3aと、助手席用のフロントシート3bとを有している。本実施形態に係る車両用シート10は、フロントシート3またはリアシート4の少なくともいずれか一方に適用されるものである。
【0015】
図2に示すように、車両用シート10は、車両本体の構造体上に固定されているシートクッション20と、シートクッション20の後端側から上方に向かって延びるように設けられたシートバック30と、シートバック30の上端に設けられたヘッドレスト40と、を備えている。
【0016】
また、シートクッション20は、乗員の臀部及び脚部を支持するものであり、シートバック30は、乗員の腰部及び背中を支持するものである。ヘッドレスト40は、乗員の頭部を支持するものである。
【0017】
[シートクッションの構成]
次に、本発明の実施形態に係るシートクッション20の構成について図3に基づいて説明する。図3は、車両用シート10のシートクッション20において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。尚、以下の説明においては、適宜図1及び図2を参酌する。
【0018】
図3に示すように、シートクッション20は、乗員の臀部及び脚部が接する座面21と、粉体を収容する袋状の収容部22と、収容部22に気体を送吸気する送吸気部23とを備えている。
【0019】
また、シートクッション20の下方であって、シートクッション20を支持する支持部(図示せず)には、シートクッション20にかかる圧力を検出するシート圧力センサ21bが設けられている。
【0020】
座面21は、布、本革又は合成皮革等の表皮部材21aで覆われている。
【0021】
収容部22は、座面21の下方において車両用シート10に着座した乗員の臀部と対向する対向側に設けられており、可撓性を有する気体非透過性材料の袋体にて形成されている。
【0022】
また、収容部22は、送吸気部23から送吸気されてきた気体を内部に流通させるための接続部22aを有している。
【0023】
本実施形態においては、収容部22に送吸気される気体は、空気(外気)に対応しているが、粉体の流体化・固体化を高める媒体となるような媒体ガスであってもよい。
【0024】
収容部22は、可撓性を有する気体非透過性材料の袋体であるため、内部の気密性が保たれている。送吸気部23を介して収容部22の内部を気体で満たした場合、収容部22の形状が膨らむように変形する。収容部22の形状が膨らむように変形することによって、粉体は流動可能な状態で収容部22に収容される。
【0025】
送吸気部23を介して収容部22の内部から気体を排気した場合、収容部22の形状が収縮するように変形する。収容部22の形状が収縮するように変形することにより粉体同士が密着することによって、粉体は固定された状態で収容部22に収容される。
【0026】
収容部22の前面部の下方には、シートクッション20の外周面側から中央側に向かって傾斜する剛体を有する矩形状の剛体斜板24(剛体斜面部)が備えられている。剛体斜面部24は、鋼鉄、木材又は強化プラスチック等の部材であり、収容部22の前面部の底面を搖動可能な状態で支持している。
【0027】
なお、本実施形態においては、収容部22の前面部の下方に剛体斜板24を備えたが、収容部22の前面部から中央部に亘る下方に剛体斜板24を備えて構成してもよい。
【0028】
収容部22の前面部を除いた底面には、搖動不可能な状態でシートクッション20の内部と固定する固定部22bが設けられており、固定部22bにより、収容部22の前面部を除いた底面の移動を制限している。
【0029】
送吸気部23は、例えばコンプレッサ等から構成されており、流通管25を介して収容部22の接続部22aに接続されている。また、送吸気部23は、後述するコントローラ100からの制御信号に応じて、収容部22に気体を送吸気する。
【0030】
送吸気部23は、流通管25を介して収容部22に気体を送気することにより、収容部22の形状を膨らむように変形させ、収容されている粉体を流体化させる。収容されている粉体が流体化するため、収容部22の形状は軟質化する。
【0031】
これに対し、送吸気部23は、流通管25を介して収容部22から気体を吸気することにより、収容部22の形状を収縮するように変形させ、収容されている粉体を固体化させる。収容されている粉体が固体化するため、収容部22の形状は硬質化する。
【0032】
[車両用シートの電気的構成]
次に、本発明の実施形態に係る車両用シート10の電気的構成について図4に基づいて説明する。図4は、車両用シート10の電気的構成を示すブロック図である。
【0033】
図4に示すように、車両用シート10には、コントローラ100が備えられている。
コントローラ100は、シート圧力センサ21bと、送吸気部23と、車両1の進行方向を撮影する車外撮影用カメラ101と、車両1内の乗員を撮影する車内撮影用カメラ102とに通信可能に接続されている。
【0034】
車内撮影用カメラ102は、車両用シート10に着座している乗員の姿勢を検出する姿勢検出部を構成している。また、シート圧力センサ21bによっても、圧力分布によって、着座している乗員の姿勢を推定できる。
【0035】
コントローラ100は、不図示のプロセッサ、メモリ及びストレージ等から構成されており、車両用シート10に含まれる各種構成要素を統括的に制御し、車両用シート10の各種機能を実現するための制御処理を実行する。プロセッサは、本実施形態におけるプログラムをストレージから呼び出してメモリに展開し、これらを所定順序で実行することにより、乗員の着座姿勢に応じたシートクッションの処理を実行する。
【0036】
具体的には、コントローラ100は、シート圧力センサ21bからシートクッション20にかかっている圧力、又は、車内撮影用カメラ102から乗員の映像を取得した場合、取得した圧力又は映像に基づいて乗員の着座姿勢を検出する。そして、コントローラ100は、検出した着座姿勢に基づいて、送吸気部23に気体の送吸気をさせる送吸制御を実行する。
【0037】
[乗員の着座姿勢が予め推奨された着座姿勢でないことを抑制する態様の説明]
次に、本発明の実施形態に係る車両用シート10において、乗員の着座姿勢が予め推奨された着座姿勢でないことを抑制する態様について図5を用いて説明する。図5は、車両用シート10に乗員50が着座している状態において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。尚、以下の説明においては、適宜図3を参酌する。
【0038】
コントローラ100は、送吸気部23に収容部22から気体を吸気させている場合(収容部22の形状が硬質化している場合)において、乗員50の着座姿勢が座面21の前方に浅く腰掛けた状態(推奨されていない着座姿勢)であると判定すると、送吸気部23を介して収容部22の内部に気体を送気させて、収容部22の形状を軟質化にする。これにより、乗員50は着座姿勢を変化させ易くなる。
【0039】
収容部22の形状を軟質化にすると、剛体斜板24により、乗員50の臀部が座面21の後方に滑り落ちていくことになる。
【0040】
乗員50の臀部が座面21の後方に滑り落ちていくことによって、粉体は収容部22の前端側に偏るように流動する。
そして、図5に示すように、収容部22の前端に粉体が偏ることによって、収容部22の前端は座面21に対して凸部を形成する。これによって、シートクッション20の前面側における座面21は、収容部22の凸部によって隆起させられる。
【0041】
シートクッション20の前面側における座面21が隆起することにより、乗員50の着座姿勢が、再び座面21の前方に浅く腰掛けた状態になることを抑制できる。
【0042】
その後、コントローラ100は、送吸気部23を介して収容部22の内部から気体を吸気させて、収容部22の形状を硬質化にする。
これにより、乗員50の着座姿勢が座面21の前方に浅く腰掛けた状態(推奨されていない着座姿勢)となることを抑制しつつ、シートクッション20の表面形状を着座時の乗員50の着座姿勢に合わせた形状を維持して、座り心地を向上させることができる。
【0043】
さらには、シートクッション20の前面側における座面21が隆起することにより、車両走行時における前後方向への重力加速度による慣性力(所謂前後G)にも対応することができる。
【0044】
さらには、シートクッション20の前面側における座面21が隆起することにより、車両1の前面衝突時において、乗員50がシートクッション20の前方かつ下方に潜り込んでしまうような所謂サブマリン現象を防止することもできる。
【0045】
また、図5に示すように、収容部22の前端に粉体が偏っている状態であっても、コントローラ100が送吸気部23を介して収容部22の内部に気体を送気させて、収容部22の形状を軟質化にすることにより、粉体がその自重により剛体斜板24に沿って下方に流動することになる。
このため、乗員50がシートクッション20から立ち上がり、シートクッション20から離れたときには、収容部22の形状を軟質化にすることにより、収容部22に収容された粉体を偏りのない初期状態に戻すことができ、収容部22の形状の復元性を向上させることができる。
【0046】
また、乗員50がシートクッション20に座り始めたときにおいては、コントローラ100は、送吸気部23を介して収容部22の内部に気体を送気させて、収容部22の形状を軟質化にしている。
これにより、乗員50がシートクッション20に座り始めた当初から、乗員の着座姿勢が座面21の前方に浅く腰掛けた状態(推奨されていない着座姿勢)となることを抑制することもできる。
【0047】
[変形例]
上記実施形態においては、収容部22の前面部の下方に矩形状の剛体斜板24を備えて構成したが、略円錐台状の剛体斜板を備えて構成してもよい。
図6は、車両用シートの断面概念図であり、(a)は、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図であり、(b)は、車両の幅方向を断面方向としたときの横断面概念図である。
【0048】
本変形例では、に示すように、略円錐台状の周壁で構成されている。また、収容部22は、略円錐台状の周壁の内面側に配置されている。
【0049】
この変形例においても、図3及び図5等において述べたように、座面21の前方に浅く腰掛けた状態(推奨されていない着座姿勢)となることを抑制しつつ、シートクッション20の表面形状を着座時の乗員50の着座姿勢に合わせた形状を維持して、座り心地を向上させることができる。さらには、所謂前後G、所謂サブマリン現象に対応するとともに、収容部22の形状の復元性も向上させることができる。
【0050】
また、図6(b)に示すように、略円錐台状の剛体斜板24は、左右方向の両端側からシートクッション20の中央側に向けて下方へと傾斜している。
【0051】
コントローラ100は、送吸気部23に収容部22から気体を吸気させている場合(収容部22の形状が硬質化している場合)において、乗員50の着座姿勢が座面21の左右方向の一端に偏って腰掛けた状態(推奨されていない着座姿勢)と判断すると、送吸気部23を介して収容部22の内部に気体を送気させて、収容部22の形状を軟質化にする。これにより、乗員50は着座姿勢を変化させ易くなる。
【0052】
収容部22の形状を軟質化にすると、剛体斜板24により、乗員50の臀部が座面21の中央側に滑り落ちていき、乗員50の着座姿勢が座面21の中央に腰掛けた状態(推奨されている着座姿勢)に矯正させることができる。
【0053】
また、乗員50の着座姿勢が当初から座面21の中央に腰掛けた状態(推奨されている着座姿勢)である場合には、粉体は収容部22の左右方向の両端側に偏るように流動し、収容部22の左右方向の両端側は座面21に対して凸部を形成することになる。
このため、車両走行時における左右方向への重力加速度による慣性力(所謂横G)にも対応することができる。
【0054】
このように、この変形例においても、乗員の着座姿勢が予め推奨された着座姿勢でないことを抑制しつつ、シートクッション20の表面形状を着座時の乗員50の着座姿勢に合わせた形状を維持して、座り心地を向上させることができる。
さらには、収容部22の形状を軟質化にすることにより、収容部22に収容された粉体を偏りのない初期状態に戻すことができ、収容部22の形状の復元性を向上させることもできる。
【0055】
以上のように、本実施形態では、車両用シート10のシートクッション20の内部に、可撓性を有する気体非透過性材料の袋状にて形成され、粉体を収容する収容部22が設けられている。また、収容部22は、周縁の少なくとも一端部には、前記シートクッションの外周面側から前記シートクッションの中央側に向けて下方へと傾斜する剛体斜板24を有している。収容部22の形状は、送吸気部23を介して、軟質化及び硬質化を切り替えている。収容部22の形状が軟質化している場合、乗員50は着座姿勢を変化させている。
これにより、乗員の着座姿勢が予め推奨された着座姿勢でないことを抑制しつつ、シートクッション20の表面形状を着座時の乗員50の着座姿勢に合わせた形状を維持して、座り心地を向上させることができる。
【0056】
また、本実施形態では、収容部22の内部に収容されている粉体がその自重により剛体斜面部24に沿って下方に流動することができるため、収容部22の形状は復元性を向上させることもできる。
【符号の説明】
【0057】
1:車両、3:フロントシート、4:リアシート、10:車両用シート、20:シートクッション、21:座面、21a:表皮部材、21b:シート圧力センサ、22:収容部、22a:接続部、22b:固定部、23:送吸気部、24:剛体斜板(剛体斜面部)、25:流通管、30:シートバック、40:ヘッドレスト、50:乗員、100:コントローラ、101:車外撮影用カメラ、102:車内撮影用カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6