特開2020-203409(P2020-203409A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-203409(P2020-203409A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】積層体及び包装袋
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/36 20060101AFI20201127BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20201127BHJP
   B32B 27/26 20060101ALI20201127BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20201127BHJP
   B32B 15/20 20060101ALI20201127BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20201127BHJP
   B32B 15/09 20060101ALI20201127BHJP
   B32B 7/08 20190101ALI20201127BHJP
   B65D 30/02 20060101ALI20201127BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20201127BHJP
   C09J 175/06 20060101ALI20201127BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
   B32B27/36
   B32B27/00 D
   B32B27/26
   B32B27/32 Z
   B32B15/20
   B32B15/08 N
   B32B15/09 Z
   B32B15/09 A
   B32B7/08
   B65D30/02
   B65D33/25 A
   C09J175/06
   C09K3/10 D
   C09K3/10 Z
   C09K3/10 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-111600(P2019-111600)
(22)【出願日】2019年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100187207
【弁理士】
【氏名又は名称】末盛 崇明
(72)【発明者】
【氏名】多久島 和弘
(72)【発明者】
【氏名】仙頭 和佳子
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 靖也
【テーマコード(参考)】
3E064
4F100
4H017
4J040
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064AA09
3E064AB23
3E064BA17
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA55
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3E064BB03
3E064BC01
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3E064HL05
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3E064HN13
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4F100AK51G
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4H017AC11
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4H017AE05
4J040EF111
4J040EF281
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4J040JB02
4J040MA02
4J040MA11
4J040MB03
4J040NA08
(57)【要約】
【課題】積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を維持しつつ、ヒートシールによる積層体の変形を抑制し、並びにリサイクル性に優れる積層体を提供。
【解決手段】本発明の積層体は、基材と、接着層と、シーラント層と備え、接着層とシーラント層との間に蒸着膜を更に備え、接着層は、ポリエステルポリオール及びイソシアネート化合物を含む2液硬化型接着剤の硬化物であり、ポリエステルポリオールが、オルト配向多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール、グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール、又はイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールであり、
基材は、延伸樹脂フィルムであり、基材及びシーラント層は、同一の樹脂材料を含み、同一樹脂材料は、ポリプロピレンであることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、接着層と、シーラント層と備え、
前記接着層と前記シーラント層との間に蒸着膜を更に備え、
前記接着層が、ポリエステルポリオール及びイソシアネート化合物を含む2液硬化型接着剤の硬化物であり、
前記ポリエステルポリオールが、オルト配向多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール、グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール、又はイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールであり、
前記基材が、延伸樹脂フィルムであり、
前記基材及び前記シーラント層が、同一の樹脂材料を含み、
前記同一樹脂材料が、ポリプロピレンであることを特徴とする、積層体。
【請求項2】
前記シーラント層が、未延伸樹脂フィルムである、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記同一樹脂材料の含有量が、90質量%以上である、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
前記積層体の厚さが、10μm以上130μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項5】
前記接着層の厚さが、0.5μm以上6μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項6】
前記蒸着膜の膜厚が、1nm以上140nm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項7】
前記蒸着膜が、アルミニウム蒸着膜である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体と、
ジッパーテープと、を含み、
前記ジッパーテープが、前記シーラント層上に位置し、
前記基材、前記シーラント層及び前記ジッパーテープが、同一の樹脂材料を含み、
前記同一樹脂材料が、ポリプロピレンである、包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体及び該積層体を備える包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装袋の構成材料として、樹脂材料から構成される樹脂フィルムが使用されている。また、包装袋には、充填する内容物に応じて、酸素バリア性や水蒸気バリア性等の様々な機能が求められるため、複数の樹脂フィルムから構成される積層体が広く使用されている。例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムだけでは、包装袋として十分な強度を確保できないため、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルからなる樹脂フィルム等との積層が行われている。また、酸素バリア性及び水蒸気バリア性向上を目的として、ポリアミドからなる樹脂フィルム若しくは金属箔等との積層、又は樹脂フィルム上への蒸着膜の形成が行われている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−202519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装袋の中には、包装袋の内側にジッパーテープを備えるもの(以下、ジッパー付包装袋とも称する)がある。このジッパー付包装袋を作製する際には、積層体とジッパーテープとを加熱して熱融着(ヒートシール)するが、このヒートシールは、ジッパーテープがヒートシールされる側とは反対側の積層体の表面から加熱することにより行われる。
【0005】
一般的に、積層体とジッパーテープとのヒートシールは、積層体同士をヒートシールする場合よりも長時間の加熱が必要である。
強度やバリア性を向上した上記の積層体は、ポリエステルやポリアミドからなる樹脂フィルム、及び金属箔等を備えるため、層数が多く、厚さが厚いという特徴がある。しかしながら、このような積層体を用いて、積層体とジッパーテープとをヒートシールする場合には、通常よりも高い温度で長時間の加熱が必要となり、積層体、特に加熱される側の層が溶融し、その表面が変形してしまい、外観を損なってしまうおそれがあった。
【0006】
また、近年では、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、包装袋をリサイクルして使用することが試みられている。しかしながら、複数の異なる樹脂フィルムを貼り合わせた場合、樹脂フィルム同士を分離することが難しく、リサイクルに適しておらず、より環境負荷の少ない包装袋を使用したいという要求があった。
【0007】
本発明者らは、上記したヒートシールによる積層体の変形の抑制及びリサイクル適性の向上を目的として、延伸ポリプロピレン樹脂フィルム、2液硬化型ウレタン接着剤からなる接着層、アルミニウム蒸着膜及び未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを備え、層数が少ない積層体を用いて、ジッパー付包装袋の作製を試みた。
しかしながら、ジッパー付包装袋は、その作製及び内容物の充填時に、包装機が備えるフォーマー等により成型されるが、該成型処理により包装袋には大きな屈曲負荷が加えられるため、ジッパー付包装袋の酸素バリア性及び水蒸気バリア性の低下をもたらしてしまうとの知見を得た。また、積層体とジッパーテープとをヒートシールする際の加熱により、ジッパー付包装袋の酸素バリア性及び水蒸気バリア性の更なる低下をもたらしてしまうとの知見を得た。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その解決しようとする課題は、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を維持しつつ、ヒートシールによる積層体の変形を抑制し、並びにリサイクル性に優れる積層体を提供することである。
【0009】
更に、本発明の解決しようとする課題は、該積層体とジッパーテープとを備える包装袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基材と、接着層と、シーラント層と備え、前記接着層と前記シーラント層との間に蒸着膜を更に備え、前記接着層は、ポリエステルポリオール及びイソシアネート化合物を含む2液硬化型接着剤の硬化物であり、前記ポリエステルポリオールは、オルト配向多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール、グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール、又はイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールであり、
前記基材は、延伸樹脂フィルムであり、前記基材及び前記シーラント層は、同一の樹脂材料を含み、前記同一樹脂材料は、ポリプロピレンであることを特徴とする、積層体である。
【0011】
本発明による積層体において、前記シーラント層は、未延伸樹脂フィルムであってもよい。
【0012】
本発明による積層体において、前記同一樹脂材料の含有量は、90質量%以上であってもよい。
【0013】
本発明による積層体において、前記積層体の厚さは、10μm以上130μm以下であってもよい。
【0014】
本発明による積層体において、前記接着層の厚さは、0.5μm以上6μm以下であってもよい。
【0015】
本発明による積層体において、前記蒸着膜の膜厚は、1nm以上140nm以下であってもよい。
【0016】
本発明による積層体において、前記蒸着膜は、アルミニウム蒸着膜であってもよい。
【0017】
本発明は、上記積層体と、ジッパーテープと、を含み、前記ジッパーテープは、前記シーラント層上に位置し、前記基材、前記シーラント層及び前記ジッパーテープは、同一の樹脂材料を含み、前記同一樹脂材料は、ポリプロピレンである、包装袋である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を維持しつつ、ヒートシールによる積層体の変形を抑制し、並びにリサイクル性に優れる積層体を提供することができる。
【0019】
更に、本発明によれば、該積層体とジッパーテープとを備える包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の積層体の一実施形態を示す断面概略図である。
図2】本発明の積層体とジッパーテープとを備える包装袋の一例を示す正面図である。
図3図2に示す包装袋をA−A線に沿って見た場合を示す断面図である。
図4】本発明の積層体とジッパーテープとを備える包装袋の一例を示す正面斜視図である。
図5】本発明の積層体とジッパーテープとを備える包装袋の一例を示す背面斜視図である。
図6】本発明の積層体とジッパーテープとを備える包装袋の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(積層体)
本発明の積層体10は、図1に示すように、基材11と、接着層12と、シーラント層13とを備え、接着層12とシーラント層13との間に、蒸着膜14を更に備える。
【0022】
本発明の積層体が備える基材と、シーラント層とは、同一の樹脂材料を含み、同一樹脂材料は、ポリプロピレンであることを特徴とする。これにより、積層体を備える包装袋のリサイクル適性を向上することができる。
なお、本発明において、「同一の樹脂材料」及び「同一樹脂材料」とは、樹脂分類が同一であることを意味する。
【0023】
積層体において、上記同一樹脂材料の含有量は、90質量%以上であることが好ましく、92質量%以上であることがより好ましく、94質量%以上であることが更に好ましい。これにより、リサイクル適性をより向上することができる。
なお、積層体における上記同一樹脂材料の含有量とは、積層体を構成する各層における樹脂材料の含有量の和に対する、上記同一樹脂材料の割合を意味する。
【0024】
積層体は、23℃、相対湿度90%環境下における酸素透過度が、0.05cc/m/day/atm以上2.0cc/m/day/atm以下であることが好ましく、0.05cc/m/day/atm以上1.0cc/m/day/atm以下であることが好ましい。
なお、本発明において酸素透過度の測定は、JIS K 7126に準拠して行う。
【0025】
積層体は、40℃、相対湿度90%環境下における水蒸気透過度が、0.01g/m/day/atm以上2.0g/m/day/atm以下であることが好ましく、0.01g/m/day/atm以上1.0g/m/day/atm以下であることが好ましい。
なお、本発明において酸素透過度の測定は、JIS K 7129に準拠して行う。
【0026】
積層体の厚さは、10μm以上130μm以下であることが好ましく、15μm以上110μm以下であることがより好ましい。これにより、ヒートシールによる積層体の変形をより抑制することができる。
【0027】
(基材)
基材は、ポリプロピレンを含む。ポリプロピレンは、ホモポリマー、ランダムコポリマー及びブロックコポリマーのいずれであってもよい。ポリプロピレンホモポリマーとは、プロピレンのみの重合体であり、ポリプロピレンランダムコポリマーとは、プロピレンとプロピレン以外の他のα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン−1、4−メチル−1−ペンテン等)等とのランダム共重合体であり、ポリプロピレンブロックコポリマーとは、プロピレンからなる重合体ブロックと、上記したプロピレン以外の他のα−オレフィンからなる重合体ブロックを有する共重合体である。
【0028】
基材は、延伸樹脂フィルムである。これにより、包装袋として十分な強度及び耐熱性を付与することができる。延伸樹脂フィルムとしては、一軸延伸樹脂フィルムであっても、二軸延伸樹脂フィルムであってもよい。また、延伸樹脂フィルムは、ポリプロピレンにより構成される延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを使用してもよい。
【0029】
基材は上記した2枚以上の樹脂フィルムを積層したものであってもよい。樹脂フィルムの積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用して作製することができる。
【0030】
本発明の特性を損なわない範囲において、基材は、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、有機粒子、離型剤及び分散剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0031】
基材は、その表面に画像が形成されていてもよい。形成された画像の外気との接触を防止することができるため、基材の接着層側表面に画像を形成することが好ましい。
また、形成される画像は、特に限定されず、文字、柄、記号及びこれらの組み合わせ等が表される。
画像形成は、従来公知のインキを用いて形成することができるが、バイオマス由来のインキを用いて行われることが好ましい。これにより、積層体を用いて、環境負荷のより少ない包装袋を作製することができる。
画像の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の従来公知の印刷法を挙げることができる。
【0032】
基材は、表面処理が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス及び/又は窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理等の物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理等の化学的処理が挙げられる。
【0033】
基材の厚さは、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。これにより、ヒートシールによる積層体の変形をより抑制することができる。また、積層体の械的強度及び加工適性を向上することができる。
【0034】
(接着層)
接着層は、ポリエステルポリオール及びイソシアネート化合物を含む2液硬化型接着剤の硬化物であり、ポリエステルポリオールがオルト配向多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール、グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール、又はイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールであることを特徴とする。蒸着膜を備えた積層体を包装袋に適用する際には、成形機等により積層体に屈曲負荷がかかるため、蒸着膜に亀裂等が生じる恐れがある。接着層が上記の2液硬化型接着剤の硬化物であることにより、蒸着膜に亀裂が生じた場合であっても、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を維持することができる。また、これにより、ポリエステルやポリアミドからなる樹脂フィルムや金属箔を用いる必要が無くなり、少ない層数でかつ厚さが薄い積層体とすることができ、積層体とジッパーテープとのヒートシールによる熱負荷を低減することができる。よって、ヒートシールによる積層体の変形を抑制することができる。
【0035】
ポリエステルポリオールは、官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する。また、イソシアネート化合物は、官能基として1分子中にイソシアネート基を2個以上有する。ポリエステルポリオールは、主骨格として、例えばポリエステル構造、又はポリエステルポリウレタン構造を有する。
【0036】
ポリエステルポリオール及びイソシアネート化合物を含む2液硬化型接着剤の具体例としては、DIC株式会社から販売されている、パスリム(PASLIM)のシリーズが使用することができる。
【0037】
2液硬化型接着剤は、板状無機化合物、カップリング剤、シクロデキストリン及び/又はその誘導体等をさらに含んでいてもよい。
【0038】
官能基として1分子中に水酸基を2個以上有するポリエステルポリオールとしては、下記の〔第1例〕〜〔第3例〕を用いることができる。
〔第1例〕オルト配向多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール
〔第2例〕グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール
〔第3例〕イソシアヌル環を有するポリエステルポリオール
以下、各ポリエステルポリオールについて説明する。
【0039】
第1例に係るポリエステルポリオールは、オルトフタル酸及びその無水物を少なくとも1種以上含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分とを重縮合して得られる重縮合体である。
特に、オルトフタル酸及びその無水物の、多価カルボン酸全成分に対する含有率が70〜100質量%であるポリエステルポリオールが好ましい。
【0040】
第1例に係るポリエステルポリオールは、多価カルボン酸成分としてオルトフタル酸及びその無水物を必須とするが、本実施の形態の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。
具体的には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びドデカンジカルボン酸等脂肪族多価カルボン酸、無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸等の不飽和結合含有多価カルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、これらジカルボン酸の無水物及びこれらジカルボン酸のエステル形成性誘導体等の芳香族多価カルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸等が挙げられる。これらの中でも、コハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。
なお、上記その他の多価カルボン酸を2種以上使用してもよい。
【0041】
第2例に係るポリエステルポリオールとして、一般式(1)で表されるグリセロール骨格を有するポリエステルポリオールを挙げることができる。
【化1】
一般式(1)において、R、R、Rは、各々独立に、H(水素原子)又は下記の一般式(2)で表される基である。
【化2】
【0042】
式(2)において、nは1〜5の整数を表し、Xは、置換基を有してもよい1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれるアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す)で表される基を表す。
但し、R、R、Rのうち少なくとも一つは、一般式(2)で表される基を表す。
【0043】
一般式(1)において、R、R、Rの少なくとも1つは一般式(2)で表される基である必要がある。中でも、R、R、R全てが一般式(2)で表される基であることが好ましい。
【0044】
また、R、R、Rのいずれか1つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R、Rのいずれか2つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R、Rの全てが一般式(2)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。
【0045】
Xは、1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
Xが置換基によって置換されている場合、1又は複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
【0046】
一般式(2)において、Yは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5−ペンチレン基、3−メチル−1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、メチルペンチレン基及びジメチルブチレン基等の炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。Yは、中でも、プロピレン基及びエチレン基が好ましくエチレン基が最も好ましい。
【0047】
一般式(1)で表されるグリセロール骨格を有するポリエステル樹脂化合物は、グリセロールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分とを必須成分として反応させることにより合成することができる。
【0048】
カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していてもよい。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
【0049】
また、多価アルコール成分としては炭素原子数2〜6のアルキレンジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール及びジメチルブタンジオール等のジオールを例示することができる。
【0050】
第3例に係るポリエステルポリオールは、下記一般式(3)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールである。
【化3】
一般式(3)において、R、R、Rは、各々独立に、「−(CH)n1−OH(但しn1は2〜4の整数を表す)」、又は、一般式(4)の構造を表す。
【化4】
【0051】
一般式(4)中、n2は2〜4の整数を表し、n3は1〜5の整数を表し、Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す)で表される基を表す。但しR、R、Rの少なくとも1つは一般式(4)で表される基である。
【0052】
一般式(3)において、−(CH)n1−で表されるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状でもよい。n1は、中でも2又は3が好ましく、2が最も好ましい。
【0053】
一般式(4)において、n2は2〜4の整数を表し、n3は1〜5の整数を表す。
Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
【0054】
Xが置換基によって置換されている場合、1又は複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
Xの置換基は、中でもヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基及びフェニル基が好ましくヒドロキシル基、フェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、フタルイミド基及びフェニル基が最も好ましい。
【0055】
一般式(4)において、Yは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5−ペンチレン基、3−メチル−1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、メチルペンチレン基及びジメチルブチレン基等の炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。Yは、中でも、プロピレン基及びエチレン基が好ましくエチレン基が最も好ましい。
【0056】
一般式(3)において、R、R、Rの少なくとも1つは一般式(4)で表される基である。中でも、R、R、R全てが一般式(4)で表される基であることが好ましい。
【0057】
また、R、R、Rのいずれか1つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R、Rのいずれか2つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R、Rの全てが一般式(4)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。
【0058】
一般式(3)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールは、イソシアヌル環を有するトリオールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分とを必須成分として反応させることにより合成することができる
【0059】
イソシアヌル環を有するトリオールとしては、例えば、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸及び1,3,5−トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0060】
また、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していてもよい。
【0061】
該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
【0062】
また、多価アルコール成分としては炭素原子数2〜6のアルキレンジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール及びジメチルブタンジオール等のジオールが挙げられる。
中でも、イソシアヌル環を有するトリオール化合物として1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、又は1,3,5−トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸を使用し、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としてオルトフタル酸無水物を使用し、多価アルコールとしてエチレングリコールを使用したイソシアヌル環を有するポリエステルポリオール化合物が、酸素バリア性や接着性に特に優れ好ましい。
【0063】
イソシアヌル環は高極性であり且つ3官能であり、系全体の極性を高めることができ、且つ、架橋密度を高めることができる。このような観点からイソシアヌル環を接着剤樹脂全固形分に対し5質量%以上含有することが好ましい。
【0064】
ポリエステルポリオールの酸化は、20mgKOH/g以上であることが好ましく、50mgKOH/g以上であることがより好ましい。これにより、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより維持することができる。
【0065】
イソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有する。
また、イソシアネート化合物は、芳香族であっても、脂肪族であってもよく、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。
更に、イソシアネート化合物は、公知のイソシアネートブロック化剤を用いて公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られたブロック化イソシアネート化合物であってもよい。
中でも、接着性や耐レトルト性の観点から、イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物が好ましく、酸素バリア性及び水蒸気バリア性の観点からは、芳香族であることが好ましい。
【0066】
イソシアネート化合物の具体的な化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのイソシアネート化合物の3量体、並びにこれらのイソシアネート化合物と、低分子活性水素化合物若しくはそのアルキレンオキシド付加物、又は高分子活性水素化合物とを反応させて得られるアダクト体、ビュレット体及びアロファネート体等が挙げられる。
低分子活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3−ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4−ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びメタキシリレンジアミン等が挙げられ、分子活性水素化合物としては、各種ポリエステル樹脂、ポリエーテルポリオール及びポリアミドの高分子活性水素化合物等が挙げられる。
【0067】
接着層の形成に用いられる2液硬化型接着剤は、リン酸変性化合物を含んでもよい。これにより、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより維持することができる。
リン酸変性化合物は、例えば下記の一般式(5)又は(6)で表される化合物である。
【化5】
一般式(5)において、R、R、Rは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、(メタ)アクリロイル基、置換基を有してもよいフェニル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる基であるが、少なくとも一つは水素原子であり、nは、1〜4の整数を表す。
【化6】
式中、R、Rは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、(メタ)アクリロイル基、置換基を有してもよいフェニル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる基であり、nは1〜4の整数、xは0〜30の整数、yは0〜30の整数を表すが、xとyが共に0である場合を除く。
【0068】
より具体的には、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、イソドデシルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0069】
2液硬化型接着剤におけるリン酸変性化合物の含有量は、0.005質量%以上10質量%以下が好ましく、0.01質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。リン酸変性化合物の含有量を上記数値範囲内とすることにより、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより維持することができる。
【0070】
接着層の形成に用いられる2液硬化型接着剤は、板状無機化合物を含むことが好ましく、これにより、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより維持することができる。
板状無機化合物としては、例えば、カオリナイト−蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、クリソタイル等)及びパイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)等が挙げられる。
【0071】
接着層の形成に用いられる2液硬化型接着剤は、カップリング剤を含んでいてもよい。
これにより、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより維持することができる。
カップリング剤としては、例えば、下記一般式(7)であらわされるシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、又はアルミニウム系カップリング剤が挙げられる。なお、これらのカップリング剤は、単独でも、2種類以上組み合わせてもよい。
【化7】
【0072】
シラン系カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン及び3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)等が挙げられる。
【0073】
また、チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジドデシルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート及びジクミルフェニルオキシアセテートチタネート等が挙げられる。
【0074】
また、アルミニウム系カップリング剤の具体例としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレート、イソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモノ(ジオクチルホスフェート)、アルミニウム−2−エチルヘキサノエートオキサイドトリマー、アルミニウムステアレートオキサイドトリマー及びアルキルアセトアセテートアルミニウムオキサイドトリマー等が挙げられる。
【0075】
接着層の形成に用いられる2液硬化型接着剤は、シクロデキストリン及び/又はその誘導体を含むことが好ましい。これにより、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより維持することができる。
具体的には、例えば、シクロデキストリン、アルキル化シクロデキストリン、アセチル化シクロデキストリン及びヒドロキシアルキル化シクロデキストリン等のシクロデキストリンのグルコース単位の水酸基の水素原子を他の官能基で置換したもの等を用いることができる。また、分岐環状デキストリンも用いることができる。
また、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体におけるシクロデキストリン骨格は、6個のグルコース単位からなるα−シクロデキストリン、7個のグルコース単位からなるβ−シクロデキストリン、8個のグルコース単位からなるγ−シクロデキストリンのいずれであってもよい。
これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、これらシクロデキストリン及び/又はその誘導体を以降、デキストリン化合物と総称する場合がある。
【0076】
樹脂組成物への相溶性及び分散性の観点から、シクロデキストリン化合物としては、シクロデキストリン誘導体を用いることが好ましい。
置換度としては上記各種樹脂の極性の観点から、0.1個以上14個以下/グルコースの範囲であることが好ましく、0.3個以上8個以下/グルコースの範囲であることがより好ましい。
【0077】
アルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、メチル−α−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン及びメチル−γ−シクロデキストリン等が挙げられる。
これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0078】
アセチル化シクロデキストリンとしては、例えば、モノアセチル−α−シクロデキストリン、モノアセチル−β−シクロデキストリン及びモノアセチル−γ−シクロデキストリン等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0079】
ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0080】
接着層の厚さは、0.5μm以上6μm以下であることが好ましく、0.8μm以上5μm以下であることがより好ましく、1μm以上4.5μm以下であることが更に好ましい。これにより、酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより維持することができる。
【0081】
接着層は、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法及びトランスファーロールコート法等従来公知の方法により、基材等の上に塗布、乾燥することにより形成することができる。
【0082】
(シーラント層)
シーラント層は、ポリプロピレンを含む。ポリプロピレンは、基材と同様のものを用いることができる。シーラント層は、未延伸樹脂フィルムにより形成するか、又はポリプロピレンの溶融押出により形成してもよい。
【0083】
シーラント層は、上記した表面処理が施されていることが好ましい。
【0084】
本発明の特性を損なわない範囲において、シーラント層は、上記した添加剤を含んでいてもよい。
【0085】
シーラント層の厚さは、5μm以上120μm以下であることが好ましく、10μm以上100μm以下であることがより好ましい。これにより、ヒートシールによる積層体の変形を抑制することができる。また、械的強度及び加工適性を向上することができる。さらに、シーラント層のヒートシール性を維持しつつ、積層体の加工適性及び耐突き刺し性を向上することができる。
【0086】
(蒸着膜)
積層体は、基材と接着層との間、又は接着層とシーラント層との間に、蒸着膜を更に備える。これにより、積層体は酸素バリア性及び水蒸気バリア性を備えることができる。
【0087】
蒸着膜としては、アルミニウム等の金属や酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の無機酸化物を含む蒸着膜が挙げられる。
これらの中でも、酸素バリア性及び水蒸気バリア性という観点からは、アルミニウム蒸着膜が好ましい。
【0088】
蒸着膜形成方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)並びに、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
【0089】
また、蒸着膜の膜厚は、1nm以上140nm以下であることが好ましく、5nm以上60nm以下であることがより好ましく、5nm以上40nm以下であることが更に好ましい。蒸着膜の厚みを上記数値範囲内とすることにより、蒸着膜におけるクラック等の発生を防止することができる。
蒸着膜がアルミニウム蒸着膜の場合に、膜厚は、1nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上60nm以下であることがより好ましく、10nm以上40nm以下であることが更に好ましい。
蒸着膜が珪素酸化物又は酸化アルミニウム蒸着膜の場合に、膜厚は、1nm以上140nm以下であることが好ましく、5nm以上30nm以下であることがより好ましく、5nm以上20nm以下であることが更に好ましい。
【0090】
また、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできる。蒸着チャンバーの真空度としては、酸素導入前においては、10−2〜10−8mbar程度が好ましく、酸素導入後においては、10−1〜10−6mbar程度が好ましい。なお、酸素導入量等は、蒸着機の大きさ等によって異なる。導入する酸素には、キャリヤーガスとしてアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等の不活性ガスを支障のない範囲で使用してもよい。フィルムの搬送速度としては、10〜800m/min程度、特に50〜600m/min程度が好ましい。
【0091】
(ガスバリア層)
積層体は、任意の層間、例えば、接着層と、蒸着膜との間にガスバリア層を備えていてもよい。これにより、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を向上することができる。
【0092】
一実施形態において、ガスバリア層は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水及び有機溶剤等の存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物又は金属アルコキシドの加水分解縮合物等の樹脂組成物を少なくとも1種含む。
【0093】
一実施形態において、金属アルコキシドは、下記一般式で表される。
M(OR
(ただし、式中、R、Rは、それぞれ、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
【0094】
金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタン及びアルミニウム等を使用することができる。
また、R及びRで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基及びi−ブチル基等のアルキル基を挙げることができる。
【0095】
上記一般式を満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH)、テトラエトキシシラン(質量%)Si(OC)、テトラプロポキシシラン(Si(OC)、テトラブトキシシラン(Si(OC)等が挙げられる。
【0096】
また、上記金属アルコキシドと共に、シランカップリング剤が使用されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましい。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0097】
上記のようなシランカップリング剤は、2種以上を使用してもよく、シランカップリング剤は、上記アルコキシドの合計量100質量部に対して、1〜20質量部程度の範囲内で使用することが好ましい。
【0098】
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール及びエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性及び耐候性という観点からは、これらを併用することが好ましい。
【0099】
ガスバリア層における水溶性高分子の含有量は、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上500質量部以下であることが好ましい。これにより、ガスバリア層の酸素バリア性、水蒸気バリア性及び強度をより向上することができる。
【0100】
ガスバリア層の厚さは、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。これにより、ガスバリア層におけるクラックの発生を効果的に防止しつつ、その酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより向上することができる。
【0101】
ガスバリア層は、上位材料を含む組成物を、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の従来公知の手段により、基材上に塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸又はアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン等が挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルべンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。これにより、形成されるガスバリア層の厚さを均一にできると共に、触媒効果をより向上することができる。
【0102】
上記組成物は、更に酸を含んでいてもよい。酸は、ゾル−ゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤等の加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸等の有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシド及びシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上0.05モル以下であることが好ましい。これにより、形成されるガスバリア層の厚さを均一にできると共に、触媒効果をより向上することができる。
【0103】
また、上記組成物は、アルコキシドの合計モル量1モルに対して、好ましくは0.1モル以上100モル以下、より好ましくは0.8モル以上2モル以下の割合の水を含んでなることが好ましい。これにより、ガスバリア層の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を向上することができると共に、加水分解反応を速やかに行うことができる。
【0104】
また、上記組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等を用いることができる。
【0105】
以下、ガスバリア層の形成方法の一実施形態について以下に説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒及び必要に応じてシランカップリング剤等を混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、蒸着膜上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。
この乾燥により、アルコキシド及び水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応が更に進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、該組成物を20〜250℃、好ましくは50〜220℃の温度で、1秒〜10分間加熱することにより、ガスバリア層を形成することができる。
【0106】
(積層体の製造方法)
本発明による積層体の製造方法は特に限定されず、溶融押出ラミネート法、ドライラミネート法、サンドラミネート法等の従来公知の方法を用いて製造することができる。
【0107】
本発明による積層体には、化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性等の表面機能等の付与を目的として、二次加工を施すことも可能である。二次加工の例としては、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等)、機械加工、表面処理(帯電防止処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング、等)等が挙げられる。また、本発明による積層体に、ラミネート加工(ドライラミネートや押し出しラミネート)、製袋加工、及びその他の後処理加工を施して、成型品を製造することもできる。
【0108】
(包装袋)
本発明の包装袋は、上記積層体とジッパーテープとを備え、ジッパーテープは、シーラント層上に位置する。また、包装袋備える上記基材とジッパーテープは、同一の樹脂材料を含み、同一樹脂材料はポリプロピレンである。これにより、リサイクル適性を向上することができる。ジッパーテープが含むポリプロピレンは、基材と同様のものを用いることができる。本発明による包装袋の一例について、図を参照しながら説明する。
【0109】
図2は、本発明の包装袋の一例を示す正面図である。図2に示した平袋20は、胴材フィルム(上記積層体を使用する)21、21’と、ジッパーテープ23とを備え、平袋20の上部に貫通穴22を有する。チャックテープとは、包装袋を開封した後に、包装袋を再び封止するために設けられる部材である。
【0110】
図3は、図2に示す包装袋20をA−A線に沿って見た場合を示す断面図である。図3に示すように、ジッパーテープ23は、胴材フィルム21の内面に取り付けられた雄型テープ24と、雄型テープ24に対向するよう胴材フィルム21’の内面に取り付けられた雌型テープ25と、を含んでいる。雄型テープ24及び雌型テープ25は、互いに嵌合可能に構成されている。この場合、雄型テープ24と雌型テープ25とを嵌合させることにより、開封後の包装袋20を再び封止することができる。また、雄型テープ24と雌型テープ25との嵌合を外すことにより、内容物を再び取り出すことができる。なお、図示はしないが、雄型テープ24が胴材フィルム21’に取り付けられ、雌型テープ25が胴材フィルム21に取り付けられていてもよい。
【0111】
次に、図2を参照しながら平袋20の製造方法について説明する。
まず、胴材フィルム21、21’を準備し、胴材フィルム21、21’のシーラント層が向き合うように配置する。続いて、胴材フィルム21、21’の間の上寄りにジッパーテープ23を挿入し、各々の胴材フィルム21、21’とジッパーテープ23とをヒートシールする。続いて、胴材フィルム21、21’の下部をヒートシールする。ポイントシールバーを用いて、胴材フィルム21、21’の両側部のヒートシール部に位置するジッパーテープ23の雄型テープ24及び雌型テープ25の突起を潰す。続いて、サイドシールバーを用いて、胴材フィルム21、21’の両側部のヒートシール部をヒートシールする。続いて、ジッパーテープ23の雌型テープ25から雄型テープ24を外して開口し、上部の開口部から内容物を充填する。続いて、雄型テープ24と雌型テープ25とを再度嵌合して開口部を密閉し、胴材フィルム21、21’の上部をヒートシールする。最後に貫通穴22を形成することで平袋20を製造することができる。ここで、図2中の斜線部分はヒートシール部分を表す。
なお、胴材フィルム21、21’の上部を先にヒートシールし、内容物を充填した後に胴材フィルム21、21’の下部をヒートシールして平袋20を製造してもよい。
【0112】
図4及び図5は、本発明の包装袋のその他の一例を示す正面斜視図及び背面斜視図である。図4及び図5に示したピロー袋30は、胴材フィルム(上記積層体を使用する)31と、ジッパーテープ33とを備え、ピロー袋30の上部に貫通穴32を有する。ジッパーテープ33は、図2及び図3で説明したジッパーテープ23と同様のものを用いることができる。
【0113】
次に、図4及び図5を参照しながらピロー袋30の製造方法について説明する。
まず、胴材フィルム31を準備し、胴材フィルム31のシーラント層上の中央上寄りにジッパーテープ33をヒートシールする。続いて、胴材フィルム31の左右の両端を、ジッパーテープ33が内側に位置するように中央に向けて折り込み、シーラント層同士を合掌するようにヒートシールする。続いて、筒状になった胴材フィルム31の合掌部側の内面と、ジッパーテープ33とをヒートシールする。続いて、胴材フィルム31の下部をヒートシールする。続いて、ジッパーテープ33の雌型テープから雄型テープを外して開口し、上部の開口部から内容物を充填する。続いて、雄型テープと雌型テープとを再度嵌合して開口部を密閉し、胴材フィルム31の上部をヒートシールする。最後に貫通穴32を形成することでピロー袋30を製造することができる。ここで、図4及び図5中の斜線部分はヒートシール部分を表す。
なお、胴材フィルム31の上部を先にヒートシールし、内容物を充填した後に胴材フィルム31の下部をヒートシールしてピロー袋30を製造してもよい。
【0114】
図6は、本発明の包装袋のその他の一例を示す正面図である。図6に示したスタンドパウチ40は、胴材フィルム(上記積層体を使用する)41、41’と、底材フィルム(胴材フィルムと同じてあっても異なっていてもよい)44と、ジッパーテープ43とを備え、スタンドパウチ40の上部に貫通穴32を有する。ジッパーテープ43は、図2及び図3で説明したジッパーテープ23と同様のものを用いることができる。
【0115】
次に、図6を参照しながらスタンドパウチ40の製造方法について説明する。
まず、胴材フィルム41、41’を準備し、胴材フィルム41、41’のシーラント層が向き合うように配置する。続いて、胴材フィルム41、41’の下部の間に底材フィルム44を内側に折り返して挿入し、ガセット部を有するように形成し、周縁部を含む船底形の下部をヒートシールする。続いて、胴材フィルム41、41’の下部の間に底材フィルム42を内側に折り返してガセット部を有するように挿入し、船底形のヒートシール熱板を用いて胴材フィルム41、41’と底材フィルム42とをヒートシールする。ポイントシールバーを用いて、胴材フィルム41、41’の両側部のヒートシール部に位置するジッパーテープ43の雄型テープ及び雌型テープの突起を潰す。続いて、サイドシールバーを用いて、胴材フィルム41、41’の両側部のヒートシール部をヒートシールする。続いて、ジッパーテープ43の雌型テープから雄型テープを外して開口し、上部の開口部から内容物を充填する。続いて、雄型テープと雌型テープとを再度嵌合して開口部を密閉し、胴材フィルム41、41’の上部をヒートシールする。最後に貫通穴42を形成することでスタンドパウチ40を製造することができる。ここで、図6中の斜線部分はヒートシール部分を表す。
なお、胴材フィルム41の上部を先にヒートシールし、内容物を充填した後に胴材フィルム31と底材フィルム44とを下部でヒートシールして、スタンドパウチ40を製造してもよい。
【0116】
包装袋に充填される内容物は、特に限定されるものではなく、内容物は、固形物以外に、液体、粉体及びゲル体であってもよい。また、食品であっても、非食品であってもよい。
【実施例】
【0117】
次に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0118】
[実施例1]
基材として、厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを準備し、2軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム上にグラビア印刷により印刷層を形成した。印刷層の厚さは、1μmであった。
【0119】
続いて、一方の面に厚さ50nmのアルミニウム蒸着膜を備える未延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(東レ加工フィルム(株)製、商品名:VM−CPP 2703、厚さ:30μm)を準備し、2軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの印刷面と、未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの蒸着面とを、ポリエステルポリオール及びイソシアネート化合物を含む2液硬化型接着剤(DIC(株)製、商品名:PASLIM VM NSRD011/NSRD006)を介して積層した。なお、該2液硬化型接着剤により形成された接着層の厚さは、2.5μmであった。
【0120】
このようにして得られた積層体の厚さは、63.5μmであり、重さは57.5g/mであった。積層体のポリプロピレンの割合は、93.9質量%であった。
【0121】
続いて、本実施例で得られた積層体と、ポリプロピレンを含むジッパーテープ(タキロンシーアイ(株)製、商品名:ジッパーテープ MX−13F、MX汎用グレード)を用いて、図2に示すような平袋20を作製した(加工条件:シール温度175℃、シール時間0.30秒)。ヒートシールにより、胴材フィルム(積層体)は変形しなかった。
【0122】
[実施例2]
実施例1と同様にして積層体を作製した。
【0123】
続いて、本実施例で得られた積層体と、ポリプロピレンを含むジッパーテープ(タキロンシーアイ(株)製、商品名:ジッパーテープ MX−13FS、MX軟質グレード)を用いて、図2に示すような平袋20を作製した(加工条件:シール温度175℃、シール時間0.30秒)。ヒートシールにより、胴材フィルム(積層体)は変形しなかった。
【0124】
[比較例1]
基材として、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを準備し、PET樹脂フィルム上にグラビア印刷により印刷層を形成した。印刷層の厚さは、1μmであった。
【0125】
続いて、厚さ7μmのアルミニウム箔を準備し、PET樹脂フィルムの印刷層と、アルミニウム箔とを、2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:アドロック 主剤:RU−77T、硬化剤:H−7)を介して積層した。なお、該2液硬化型接着剤により形成された接着層の厚さは、3μmであった。
【0126】
続いて、厚さ60μmのポリエチレン樹脂フィルムを準備し、アルミニウム箔と、ポリエチレン樹脂フィルムとを、2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:アドロック 主剤:RU−77T、硬化剤:H−7)を介して積層した。なお、該2液硬化型接着剤により形成された接着層の厚さは、3μmであった。
【0127】
このようにして得られた積層体の厚さは、86μmであった。
【0128】
続いて、本比較例で得られた積層体と、ポリプロピレンを含むジッパーテープ(タキロンシーアイ(株)製、商品名:ジッパーテープ MX−13F、MX軟質グレード)を用いて、図2に示すような平袋20を作製した(加工条件:シール温度175℃、シール時間0.45秒)。ヒートシールにより、胴材フィルム(積層体)は変形しなかった。
【0129】
[比較例2]
実施例1の2液硬化型接着剤(DIC(株)製、商品名:PASLIM VM NSRD011/NSRD006)を、比較例1の2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:アドロック 主剤:RU−77T、硬化剤:H−7)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。なお、該接着剤により形成された接着層の厚さは、2.5μmであった。
【0130】
続いて、本比較例で得られた積層体と、ポリプロピレンを含むジッパーテープ(タキロンシーアイ(株)製、商品名:ジッパーテープ MX−13F、MX汎用グレード)を用いて、図2に示すような平袋20を作製した(加工条件:シール温度175℃、シール時間0.30秒)。ヒートシールにより、胴材フィルム(積層体)は変形しなかった。
【0131】
[比較例3]
基材として、厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを準備し、2軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム上にグラビア印刷により印刷層を形成した。印刷層の厚さは、1μmであった。
【0132】
続いて、アルミニウム蒸着膜を備えるPET樹脂フィルム(厚さ12μm)を準備し、上記2軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの印刷層と、該PET樹脂フィルムとを、2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:アドロック 主剤:RU−77T、硬化剤:H−7)を介して積層した。なお、該2液硬化型接着剤により形成された接着層の厚さは、3μmであった。
【0133】
続いて、厚さ30μmの未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを準備し、上記2軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムのPET樹脂フィルムと、未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを、2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:アドロック 主剤:RU−77T、硬化剤:H−7)を介して積層した。なお、該2液硬化型接着剤により形成された接着層の厚さは、3μmであった。
【0134】
このようにして得られた積層体の厚さは、79μmであった。
【0135】
続いて、本比較例で得られた積層体と、ポリプロピレンを含むジッパーテープ(タキロンシーアイ(株)製、商品名:ジッパーテープ MX−13F、MX軟質グレード)を用いて、図2に示すような平袋20を作製した(加工条件:シール温度175℃、シール時間0.45秒)。ヒートシールにより、胴材フィルム(積層体)が変形した。
【0136】
<<酸素バリア性試験>>
上記実施例及び比較例において得られた積層体をA4サイズにカットし、米国MOCON社製OXTRAN2/20を使用し、23℃、相対湿度90%の環境下での酸素透過度(cc/m2/day/atm)を測定した。測定結果を表1にまとめた。
【0137】
<<水蒸気バリア性試験>>
実施例1及び比較例1〜3において得られた積層体をA4サイズにカットし、米国MOCON社製PERMATRAN3/31を使用し、40℃、相対湿度90%の環境下での水蒸気透過度(g/m2/day/atm)を測定した。測定結果を表1にまとめた。
【0138】
<<耐屈曲負荷性試験>>
上記実施例及び比較例おいて得られた積層体を、ゲルボフレックステター(テスター産業(株)性、商品名:BE1006BE)を用い、ASTM F 392に準拠して屈曲負荷(ストローク:155mm、屈曲動作:440°)を5回与えた。
屈曲負荷を与えた後に、酸素バリア性試験及び水蒸気バリア性試験と同様にして、酸素透過度及び水蒸気透過度を測定した。測定結果を表1にまとめた。
【0139】
【表1】
【符号の説明】
【0140】
10:積層体
11:基材
12:接着層
13:シーラント層
14:蒸着膜
20:平袋
21,21’:胴材フィルム
22:貫通穴
23:ジッパーテープ
24:雄型テープ
25:雌型テープ
30:ピロー袋
31:胴材フィルム
32:貫通穴
33:ジッパーテープ
40:スタンドパウチ
41,41’:胴材フィルム
42:貫通穴
43:ジッパーテープ
44:底材フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6