特許第5835118号(P5835118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835118
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】固定具
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/22 20060101AFI20151203BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20151203BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   H02G3/22 260
   F16B2/08 R
   B60R16/02 623D
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-138643(P2012-138643)
(22)【出願日】2012年6月20日
(65)【公開番号】特開2014-3844(P2014-3844A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2014年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永渕 昭弘
【審査官】 宮司 卓佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−280814(JP,A)
【文献】 特公昭50−014702(JP,B1)
【文献】 実開昭61−164804(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/22
B60R 16/02
F16B 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の可撓性シールド部材を被固定物に固定する金属製の固定具であって、
前記被固定物に対し、前記可撓性シールド部材を間に挟んで巻きつけられるとともに締め付けられる帯状の締め付け部を有し、かつ、
前記締め付け部の一端部と他端部と重ね合わされた状態で、略円形状をなすように塑性変形されており
前記締め付け部の一端部が前記締め付け部の外周面に当接しており、前記締め付け部の他端部が前記締め付け部の一端部を外側から前記締め付け部に押圧した状態で、前記被固定物に固定される固定具。
【請求項2】
前記締め付け部のうち、前記可撓性シールド部材側に配される面には、突部が形成されている請求項1に記載の固定具。
【請求項3】
前記突部が、対向する位置に形成されている請求項2に記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
複数本のノンシールド電線を、シールドパイプと可撓性シールド部材に挿通することで、一括シールドしてなるシールド導電体は、例えば、電気自動車の動力回路として用いることができる。
【0003】
このようなシールド導電体においては、シールドパイプと可撓性シールド部材とを接続するために、例えば特許文献1に記載されているような、環状の固定具が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−250410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の環状の固定具は、可撓性シールド部材を取り付けたシールドパイプの外周に沿って配されるバンド部と、バンド部を可撓性シールド部材にしめつける締め付け耳部が形成されたクランプ部とを有する。
【0006】
この固定具は、クランプ部およびバンド部をそれぞれ作製してから、これら2部材を溶接により接合して得られるものである。したがって、このような固定具には、構造が複雑で、製造に手間がかかるためコスト高であるという問題があった。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、簡易な構造の固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するものとして本発明は、筒状の可撓性シールド部材を被固定物に固定する金属製の固定具であって、前記被固定物に対し、前記可撓性シールド部材を間に挟んで巻きつけられるとともに締め付けられる帯状の締め付け部を有し、かつ、前記締め付け部の一端部と他端部と重ね合わされた状態で、略円形状をなすように塑性変形されており前記締め付け部の一端部が前記締め付け部の外周面に当接しており、前記締め付け部の他端部が前記締め付け部の一端部を外側から前記締め付け部に押圧した状態で、前記被固定物に固定される固定具である。
【0009】
本発明の固定具を用いて可撓性シールド部材を被固定物に固定する際には、まず帯状の締め付け部を、被固定物に取り付けた可撓性シールド部材の外周に沿って巻きつける。次に、被固定物に巻き付けた固定具の締め付け部の一端部と他端部とを重ね合わせて引張ることにより被固定物に固定具を締め付け状態としつつ塑性変形させると、固定具を被固定物に固定することができる。
【0010】
本発明によれば、固定具を、帯状の締め付け部を有するとともに、締め付け部の一端部と他端部とを重ね合わせて塑性変形させることで被固定物に固定具を固定可能な構成とするだけでよいので、簡易な構造の固定具を提供することができる。
【0011】
本発明は以下の構成としてもよい。
前記締め付け部のうち、前記可撓性シールド部材側に配される面には、突部が形成されていてもよい。このような構成とすると締め付け部が可撓性シールド部材に食い込むように接触するので、固定具が位置ずれしにくくなる。
【0012】
前記突部が、対向する位置に形成されていてもよい。このような構成とすると、固定具の位置ずれを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構造の固定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1の固定具の正面図
図2】固定具の平面図
図3】輪状にする前の固定具の平面図
図4】コネクタに取り付けた状態の固定具の平面図
図5】コネクタに取り付けた状態の固定具の正面図
図6】コネクタに取り付けた状態の固定具の側面図
図7】コネクタに取り付けた状態の固定具の断面図
図8】コネクタに固定された状態の固定具の断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図8によって説明する。以下の説明において、図1における上方を上とし下方を下とする。
本実施形態の固定具10は、筒状の可撓性シールド部材27を筒状のコネクタ20(被固定物20の一例)に固定する金属製の固定具10である。
【0016】
固定具10が取り付けられるコネクタ20については詳細は図示しないが、3本の電線24が接続されている。各電線24は金属製の導体25が絶縁樹脂製の被覆材料26により被覆されてなるものである。
【0017】
コネクタ20の底壁21には、図5および図6に示すように、ブラケット22が延出されている。ブラケット22には、図4に示すように、2つの略円形の貫通孔23が形成されており、この貫通孔23にはコネクタ20を、コネクタ20が取り付けられる部材に取り付けて固定するためのネジ(図示せず)が挿通可能となっている。
【0018】
コネクタ20には筒状の可撓性シールド部材27が取り付けられている。可撓性シールド部材27は、詳細は図示しないが、金属細線をメッシュ状に編んだ編組線からなるものである。この可撓性シールド部材27は筒状に構成され、コネクタ20の外部に延出した電線24の周囲を包囲する構成をなしている。
【0019】
固定具10は、図8に示すように、帯状の締め付け部11の端部11A,11B(後述する)に塑性加工が施されることにより、コネクタ20を締め付ける形態で形状保持されるものであり、コネクタ20の周囲に環状に固定される構成をなしている。
【0020】
固定具10は、板金加工によって構成されるものであり、コネクタ20に対し、可撓性シールド部材27を間に挟んで締め付けられる帯状の締め付け部11を有する(図2図3および図5を参照)。図3に示す固定具10は輪状に変形する前のものである。
【0021】
固定具10の締め付け部11には、図1図7および図8に示すように、押し出し加工により、内壁面12からコネクタ20側に突出する突部13が2つ、対向する位置に形成されている。
【0022】
固定具10をコネクタ20に固定した状態において、締め付け部11の一端部11Aと他端部11Bとは、図8に示すように、重ね合わせられた状態で略円形をなすように折り曲げることにより塑性変形されている。
【0023】
次に本実施形態の固定具10により可撓性シールド部材27をコネクタ20に固定する方法について説明する。
まず、板金加工によって図3に示すような固定具10を用意する。突部13は、締め付け部11の壁面を外側から内側に向けて押し出す加工を施すことによって形成されている。
【0024】
コネクタ20の外壁面に可撓性シールド部材27を重ねるように配置し、その外周に沿って、固定具10の締め付け部11を巻き付ける。次に、締め付け部11の一端部11Aと、締め付け部11の他端部11Bとを重ね合わせる。ここで、予め、締め付け部11の一端部11Aと他端部11Bとを重ね合わせて固定具10を輪状にしておいてから、可撓性シールド部材27を重ねたコネクタ20に嵌めこんでもよい。
【0025】
次に、締め付け部11の両端部11A,11Bを引っ張ってコネクタ20に対して可撓性シールド部材27を締め付け状態とすると、図7に示すように、締め付け部11に形成した突部13が可撓性シールド部材27に食い込んで位置決めされる。
【0026】
締め付け部11により可撓性シールド部材27を締め付けた状態を保持しつつ、締め付け部11の一端部11Aと他端部11Bとを上方へ折り曲げて、略円形状に塑性変形させると、図8に示すように、固定具10をコネクタ20に固定することができる。
【0027】
本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態によれば、帯状の締め付け部11を有するとともに、締め付け部11の一端部11Aと他端部11Bとを重ね合わせて塑性変形させることでコネクタ20に固定具11を固定可能な構成とするだけでよいので、2部材を接合させる工程は不要である。その結果、本実施形態によれば、簡易な構造の固定具10を提供することができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、締め付け部11のうち、可撓性シールド部材27側に配される面12には、突部13が形成されているから、締め付け部11が可撓性シールド部材27に食い込むように接触するので、固定具10が位置ずれしにくくなる。
【0029】
特に、本実施形態によれば、突部13が、対向する位置に形成されているから、固定具10の位置ずれを確実に防止することができる。
【0030】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、対向する位置に突部13を設けた締め付け部11を有する固定具10を示したがこれに限定されない。例えば、突部を設けないものや、一箇所に突部を設けた締め付け部を有するものや、対向しない位置に3以上の突部を設けた締め付け部を有するものであってもよい。
(2)上記実施形態では、被固定物がコネクタ20の例を示したが、被固定物は、複数本の電線をシールドするシールドパイプであってもよい。
【符号の説明】
【0031】
10…固定具
11…締め付け部
11A…一端部
11B…他端部
12…内側面(可撓性シールド部材側に配される面)
13…突部
20…コネクタ(被固定物)
23…貫通孔
27…可撓性シールド部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8