特許第6805614号(P6805614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805614
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】記述遷移表示装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 5/00 20060101AFI20201214BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20201214BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   G09B5/00
   G06Q50/20
   G06F13/00 650A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-154217(P2016-154217)
(22)【出願日】2016年8月5日
(65)【公開番号】特開2018-22083(P2018-22083A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】永田 康貴
(72)【発明者】
【氏名】坂本 早苗
【審査官】 比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−085614(JP,A)
【文献】 特開2005−055732(JP,A)
【文献】 特開2011−232945(JP,A)
【文献】 特開平08−036354(JP,A)
【文献】 特開2014−134571(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0154227(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00 − 9/56
G09B17/00 −19/26
G06Q10/00 −10/10
G06Q30/00 −30/08
G06Q50/00 −50/20
G06Q50/26 −99/00
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する記入デバイスとネットワークを通じて通信する記述遷移表示装置であって、
複数の記入欄を備える答案について、前記記入デバイスにより記入された記入データを受信する受信手段と、
受信した記入データに基づいて、前記答案毎に、前記複数の記入欄間又は前記記入欄におけるまとまった領域間におけるユーザの記述箇所の時間的な移動を示す記述遷移情報を生成する記述遷移情報生成手段と、
前記記述遷移情報に基づき、前記答案の画像上に前記ユーザの記述箇所の時間的な移動を矢印で示した記述遷移画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする記述遷移表示装置。
【請求項2】
前記記述遷移情報は、前記複数の記入欄間又は前記領域間で前記記述箇所が移動した回数を含むことを特徴とする請求項1に記載の記述遷移表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記ユーザにより記入されたストロークを、記入された順序で順に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の記述遷移表示装置。
【請求項4】
前記受信手段は、複数のユーザが使用する複数の記入デバイスから前記記入データを受信し、
前記記述遷移情報生成手段は、前記複数のユーザについて前記記述遷移情報を生成し、
前記記入データに基づいて、前記複数のユーザについて、各ユーザの座席位置に当該ユーザの記述状況を示した記述状況情報を生成する記述状況情報生成手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記記述状況情報を表示するとともに、表示された記述状況情報における前記座席位置を選択する指示が入力された場合に、当該座席位置に対応するユーザについての前記記述遷移画像を表示することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記述遷移表示装置。
【請求項5】
コンピュータを備え、ユーザが使用する記入デバイスとネットワークを通じて通信する記述遷移表示装置により実行されるプログラムであって、
複数の記入欄を備える答案について、前記記入デバイスにより記入された記入データを受信する受信手段、
受信した記入データに基づいて、前記答案毎に、前記複数の記入欄間又は前記記入欄におけるまとまった領域間におけるユーザの記述箇所の時間的な移動を示す記述遷移情報を生成する記述遷移情報生成手段、
前記記述遷移情報に基づき、前記答案の画像上に前記ユーザの記述箇所の時間的な移動を矢印で示した記述遷移画像を表示する表示手段、
として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔授業を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
学校と、学校から離れた場所にいる教師とをネットワークを通じて接続し、映像や音声を送信して授業を行う遠隔授業システムが知られている。そのような遠隔授業システムの一例が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−338510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような遠隔授業システムでは、学校側と教師側との間で映像や音声が送受信されて授業が行われる。また、最近の遠隔授業システムでは、生徒がデジタルペン、タブレットPCなどのデバイスを使用し、そのようなデバイスに対する生徒の入力情報を教師側に送信して教師側で表示し、その内容や進捗状況に基づいて生徒の理解度を評価するようなことも行われている。
【0005】
例えば、授業中に演習や効果確認テストなどを行う際、解答用紙に設けられた複数の解答記入欄への記述の移動を考慮して評価を行いたい場合がある。このような場合、各生徒について、複数の記入欄への記述の遷移を教師側で把握できることが好ましい。
【0006】
本発明は、複数の記入欄に対するユーザの記述の遷移を把握できるように表示することが可能な記述遷移表示装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点では、ユーザが使用する記入デバイスとネットワークを通じて通信する記述遷移表示装置は、複数の記入欄を備える答案について、前記記入デバイスにより記入された記入データを受信する受信手段と、受信した記入データに基づいて、前記答案毎に、前記複数の記入欄間又は前記記入欄におけるまとまった領域間におけるユーザの記述箇所の時間的な移動を示す記述遷移情報を生成する記述遷移情報生成手段と、前記記述遷移情報に基づき、前記答案の画像上に前記ユーザの記述箇所の時間的な移動を矢印で示した記述遷移画像を表示する表示手段と、を備える。
【0008】
上記の記述遷移表示装置は、複数の記入欄を備える答案について、ユーザの記入デバイスから記入データを受信する。そして、記入データに基づいて、答案毎に、複数の記入欄間又は前記記入欄におけるまとまった領域間におけるユーザの記述箇所の時間的な移動を示す記述遷移情報を生成し、記述遷移情報に基づき、答案の画像上に前記ユーザの記述箇所の時間的な移動を矢印で示した記述遷移画像を表示する。これにより、ユーザが複数の記入欄をどのように移動しつつ記入を行ったかを知ることができる。
【0010】
上記の記述遷移表示装置の一態様では、前記表示手段は、前記ユーザにより記入されたストロークを、記入された順序で順に表示する。これにより、ユーザの記入が移動した順序を知ることができる。
【0011】
上記の記述遷移表示装置の他の一態様では、前記受信手段は、複数のユーザが使用する複数の記入デバイスから前記記入データを受信し、前記記述遷移情報生成手段は、前記複数のユーザについて前記記述遷移情報を生成し、前記記入データに基づいて、前記複数のユーザについて、各ユーザの座席位置に当該ユーザの記述状況を示した記述状況情報を生成する記述状況情報生成手段をさらに備え、前記表示手段は、前記記述状況情報を表示するとともに、表示された記述状況情報における前記座席位置を選択する指示が入力された場合に、当該座席位置に対応するユーザについての前記記述遷移画像を表示する。この態様では、まず複数のユーザについての記述状況情報が表示され、記述状況情報における特定のユーザの座席位置が選択されると、そのユーザについての記述遷移画像が表示される。
【0012】
本発明の他の観点は、コンピュータを備え、ユーザが使用する記入デバイスとネットワークを通じて通信する記述遷移表示装置により実行されるプログラムは、複数の記入欄を備える答案について、前記記入デバイスにより記入された記入データを受信する受信手段、受信した記入データに基づいて、前記答案毎に、前記複数の記入欄間又は前記記入欄におけるまとまった領域間におけるユーザの記述箇所の時間的な移動を示す記述遷移情報を生成する記述遷移情報生成手段、前記記述遷移情報に基づき、前記答案の画像上に前記ユーザの記述箇所の時間的な移動を矢印で示した記述遷移画像を表示する表示手段、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記の記述遷移表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る遠隔授業システムの構成を示す。
図2】管理サーバの内部構成を示すブロック図である。
図3】トップメニュー及び記述状況表示の例である。
図4】個別生徒の添削画面の例である。
図5】答案比較表示の例である。
図6】全体状況表示の例である。
図7】実施形態に係る表示処理のフローチャートである。
図8】記述状況表示処理のフローチャートである。
図9】変形例に係る遠隔授業システムの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の記述遷移表示装置を適用した遠隔授業システムの構成を示す。遠隔授業システム100は、生徒側(学校)に設けられる記入デバイス10及び接続デバイス12と、管理サーバ20と、教師側に設けられる教師用端末30とをネットワーク5を介して通信可能に構成したものである。
【0015】
生徒側には、各生徒が使用する記入デバイス10と、接続デバイス12とが設けられる。記入デバイス10は、デジタルペン10a、又は、タブレット10bとタッチペン10cの組み合わせである。即ち、生徒は、テストや演習を行う際、デジタルペン10aを利用して専用用紙である答案用紙に解答を記入するか、タブレット10bに対してタッチペン10cで解答を記入する。以下の説明では、単に「記入デバイス10」と言った場合は、デジタルペン10a、及び、タブレット10bとタッチペン10cの組み合わせの両方を含むものとする。なお、図1では、便宜上、デジタルペン10aと、タブレット10b及びタッチペン10cを1つずつしか図示していないが、実際には、生徒数に応じた数のデジタルペン10a又はタブレット10bとタッチペン10cが使用される。
【0016】
接続デバイス12は、記入デバイス10から受信したデータを外部へ送信するための通信用端末である。接続デバイス12は、例えば、PC、スマートフォンなどであり、記入デバイス10から記入データD1を受信する。記入デバイス10と接続デバイス12との間の通信は、無線であっても有線であってもよい。本実施形態では、記入データD1は、デジタルペン10a、又は、タブレット10bとタッチペン10cの組み合わせを用いて生徒が入力した解答情報である。接続デバイス12は、受信した記入データD1を、ネットワーク5を通じて管理サーバ20へ送信する。なお、ネットワーク5を通じた接続デバイス12と管理サーバ20との通信は有線であっても無線であってもよい。
【0017】
管理サーバ20は、テスト情報データベース(以下、「データベース」を「DB」と記す。)24と、テスト結果DB28に接続されている。管理サーバ20は、生徒側の接続デバイス12から各生徒の記入データD1を受信し、各生徒の記述状況を判定し、記述状況情報を生成する。記述状況情報とは、各生徒が順調に解答の記述を行っているか否かを示す情報であり、その詳細は後述する。また、管理サーバ20は、各生徒の記入データD1に基づいて、答案比較画像及び全体状況情報を生成する。そして、管理サーバ20は、記述状況情報、答案比較画像及び全体状況情報の少なくとも1つを表示データD2として、ネットワーク5を通じて教師用端末30へ送信する。ネットワーク5を通じた管理サーバ20と教師用端末30との通信は有線であっても無線であってもよい。
【0018】
教師側に設けられた教師用端末30は、例えばデスクトップPC、ラップトップPC、タブレットPCなどである。なお、教師用端末30がタブレットPCである場合には、生徒側に設けられる接続デバイス12の如き通信用端末を教師側に設けてもよい。教師用端末30は例えば液晶ディスプレイなどの表示部を備える。教師用端末30は、管理サーバ20から表示データD2を受信し、教師用端末30の表示部に表示する。なお、教師用端末30は本発明の表示手段の一例である。
【0019】
[管理サーバの構成]
図2は、管理サーバ20の内部構成を示すブロック図である。管理サーバ20は、通信部21と、ストローク抽出部22と、個別添削部23と、記述状況情報生成部25と、答案比較画像生成部26と、全体状況情報生成部27とを備える。なお、これらの構成要素と、テスト情報DB24と、テスト結果DB28とは、バス29を介して相互に接続されている。
【0020】
通信部21は、ネットワーク5を通じて生徒側の接続デバイス12及び教師側の教師用端末30と通信を行うための通信ユニットである。ストローク抽出部22は、通信部21が生徒側の接続デバイス12から受信した記入データD1から、生徒が記入したストロークを抽出する。
【0021】
テスト情報DB24は、生徒に実施させるテストに関する情報であるテスト情報を記憶している。なお、本実施形態におけるテストは、授業中に実施される演習や効果確認のためのテストであり、記述式の問題により構成されるものとする。テスト情報は、テストの問題の情報、解答の情報などに加えて、そのテストの解答に含まれるべきキーワードの情報を含む。なお、「キーワード」は、記述式の問題に対する解答に含まれるべき用語であり、例えば採点時に点数が割り当てられる用語とすることができる。
【0022】
テスト結果DB28は、各生徒が過去に実施したテストの結果及びその分析結果を含むテスト結果情報を記憶している。テスト結果DB28は、テストの実施日時ごとにテスト結果情報を記憶している。具体的に、テスト結果情報は、1回のテストについて、各生徒の記述した解答、採点結果、そのテストにおける生徒の順位(クラス順位、学年順位、全体順位など)、生徒による解答の記述状況に関する情報(例えば、総記入時間、停止時間、記述文字量、記入欄の遷移など)を含む。また、テスト結果DB28は、過去に実施されたテストについてのテスト結果情報も記憶している。
【0023】
個別添削部23は、ストローク抽出部22が抽出したストロークに基づいて、各生徒について上記のテスト結果情報を生成する。具体的には、個別添削部23は、生徒が記述した解答に所定のキーワードが含まれているか否かを判定する。キーワードは、前述のように記述式問題に対する解答に含まれるべき用語、語句などであり、テストの問題ごとに予め決定されてテスト情報DB24に記憶されている。個別添削部23は、ストローク抽出部22が抽出した複数のストロークに対してOCR(Optical Character Recognition)処理を行って記述内容を取得し、生徒が記述した解答に所定のキーワードが含まれているか否かを判定する。また、個別添削部23は、生徒が記述した解答に含まれる結論や答え(算数や数学の場合には、答えの数値など)が正しいか否かを判定する。キーワードや結論には予め所定の点数が割り当てられており、個別添削部23は、キーワードの数や結論の正誤などに基づいて各生徒の解答を採点する。また、個別添削部23は、全生徒の点数を集計して、各生徒の順位を算出する。
【0024】
さらに、個別添削部23は、ストローク抽出部33が抽出したストロークの時間的な変化を分析し、総記入時間、停止時間、記述文字量、記入欄の遷移などの記述状況に関する情報を生成する。こうして個別添削部23が各生徒について生成したテスト結果情報は、テスト結果DB28に記憶される。
【0025】
記述状況情報生成部25は、ストローク抽出部22が抽出したストロークに基づいて記述状況情報を生成する。記述状況情報は、各生徒が解答の記述中であるか、解答の記述が停止した状態であるかを示す情報を含む。また、実施されるテストが解答の記入欄を複数含む場合には、記述状況情報は、生徒の記入箇所が複数の記入欄を移動したか否かを示す情報である記入欄遷移を含む。また、生徒がテストに関して質問を希望している場合には、記述状況情報は、質問を希望している生徒を示す情報を含む。具体的には、生徒が記入デバイス10を用いて質問を希望していることを示す操作を行うと、記入デバイス10が生徒を特定する情報及び希望していることを示す質問信号を管理サーバ20へ送信する。管理サーバ20の通信部21は質問信号を受信し、記述状況情報生成部25に告知する。これにより、記述状況情報生成部25は、質問を希望している生徒を示す情報を生成する。
【0026】
答案比較画像生成部26は、生徒毎に、ストローク抽出部22が抽出したストロークを示す答案画像を生成する。そして、答案比較画像生成部26は、複数の生徒の答案画像を並べて答案比較画像を生成する。
【0027】
全体状況情報生成部27は、各生徒のテスト結果情報に基づいて、クラス内の全生徒のテスト結果を示す全体状況情報を生成する。具体的に、全体状況情報生成部27は、個別添削部23が生成した各生徒のテスト結果情報を集計して全体状況情報を生成する。
【0028】
上記の構成において、通信部21は本発明の受信手段の一例であり、ストローク抽出部22及び個別添削部23は本発明の記述遷移情報生成手段の一例であり、記述状況情報生成部25は本発明の記述状況情報生成手段の一例である。
【0029】
[情報の表示方法]
次に、本実施形態による情報の表示方法について説明する。本実施形態では、教師用端末30を操作することにより、教師は各種の情報を管理サーバ20から受信して教師用端末30上で見ることができる。図3(A)は、トップメニュー(遠隔授業支援メニュー)の表示例を示す。トップメニューは、記述状況表示ボタン41と、答案比較表示ボタン42と、全体状況表示ボタン43とを含む。
【0030】
(記述状況表示)
図3(A)に示すトップメニューにおいて教師が記述状況表示ボタン41を選択すると、記述状況表示が行われる。図3(B)は、記述状況表示の例を示す。記述状況表示では、記述状況情報生成部25が生成した記述状況情報が表示される。具体的に、本実施形態では、記述状況情報は各生徒の座席表の形で記述状況情報を示した座席表マップ51として表示される。図3(B)において、座席表マップ51には、個々の生徒の座席が座席ボックス52で示されている。
【0031】
記述状況情報は、各生徒がテストに対する解答の記述中であるか、記述が停止しているかを示す情報を含む。図3(B)の例では、各生徒の座席ボックス52の色によりこれを示している。具体的に、本例では「記述中」を青色で示し、「記述停止中」を黄色、オレンジ色又は赤色で示す。なお、記述停止中については、記述が停止している時間の長さに応じて、黄色、オレンジ色、赤色のいずれかが表示される。例えば、記述が停止している時間が2分以内である場合は座席ボックス52が黄色で示され、記述が停止している時間が2〜5分である場合は座席ボックス52がオレンジ色で示され、記述が停止している時間が5分以上である場合は座席ボックス52が赤色で示される。なお、図3(B)においては、図示の便宜上、黄色の座席ボックスには「Y」を付し、オレンジ色の座席ボックスには「O」を付し、赤色の座席ボックスには「R」を付し、青色の座席ボックスには符号を付していない。このように、記述状況表示においては、教師は各生徒に対応する座席ボックス52の色により、その生徒の記述が進んでいるか、停止しているかを一目で知ることができる。また、記述が停止している場合には、停止している長さも知ることができる。よって、教師は、同時にテストを行っている複数の生徒の記述状況を容易に把握することができる。
【0032】
また、テストの解答に複数の記入欄がある場合には、生徒の記述が複数の記入欄間で移動すると、記入欄の遷移を示すマーク53が座席ボックス52に表示される。なお、図3(B)の例では、記入欄の遷移を示すマーク53は座席ボックス52を囲む太線となっているが、その代わりに座席ボックス52の枠を点滅表示させてもよい。なお、記入欄の遷移をどう評価するかはテストの構成などにより異なる。例えば、複数の独立した設問についてそれぞれ記入欄が設けられている場合、記入欄の遷移が多いということは、生徒がどの設問についてもうまく解答できておらず、解答する問題を頻繁に変更している、解答できない問題をとばしている、などと推測することができる。一方、複数の記入欄に対して相互に関連する記述を行って全体として1つの解答を仕上げていくようなタイプのテストである場合には、記入欄の遷移が多いということは、複数の事項を相互に関連付けしながらうまく解答を作成できていると評価することができる。
【0033】
また、図3(B)の例では、質問を希望している生徒については、その旨を示す質問マーク(「?」)54が座席ボックス52内に表示される。よって、教師は、質問を希望している生徒を容易に見つけることができる。
【0034】
図3(B)の例では、座席ボックス52の色により記述状況を表示しているが、その代わりに、座席ボックス52に所定のマークを表示することとしてもよい。例えば、記述中の生徒の座席ボックス52には「○」を表示し、記述停止中の生徒の座席ボックス52には停止中の時間に応じて「△」、「▲」、「×」などを表示してもよい。なお、図3(B)に示す記述状況表示において教師がボタン55を押すと、図3(A)に示すトップメニューの表示に戻る。
【0035】
また、図3(B)に示す記述状況表示において、各座席ボックス52を選択することにより、教師は生徒の詳細な情報を見ることができる。具体的に、ある座席ボックス52を選択すると、図4に示す個別生徒の添削画面が表示される。なお、この画面は、図3(B)に示す記述状況表示の画面とは別の画面(ウィンドウ)として表示されることが好ましい。
【0036】
図4に示すように、個別生徒の添削画面は、前述の個別添削部23が生成したテスト結果情報に基づいて作成されるものであり、答案画像61と、採点情報62と、順位情報63と、相対位置タブ64と、ポートフォリオタブ65と、コメント欄66と、ボタン67とを含む。
【0037】
答案画像61は、その生徒が記述した答案を示す画像である。答案画像61は、ストローク抽出部22が抽出したストロークを、予め用意された答案画像(答案が未記入のもの)に描画することにより作成される。テスト中、答案画像61はその時点における生徒の記述内容を示すものとなる。
【0038】
採点情報62は、生徒が記述した答案に対する採点内容を示す。具体的に、本例では答案に記入欄(解答欄)としてA〜D欄が設けられており、各記入欄毎に予めキーワードや結論などの情報が予めテスト情報としてテスト情報DB24に記憶されている。個別添削部23は、生徒が記述した答案にキーワードや正しい結論が記載されているか否かを記入欄毎に判定し、自動採点を行う。図4の例では、A〜D欄について、それぞれチェックポイント、判定、配点が示される。A〜D欄の個別の配点の合計が合計点として示される。なお、キーワードや結論などを検出することによる自動採点に加えて、特定の問題については教師が解答を読んで採点を行い、判定欄や配点欄に点数を記入することとしてもよい。
【0039】
順位情報63は、クラスや学年などの所定のグループにおける、その生徒の順位を示す情報であり、本例ではクラス順位、学年順位、全体順位が表示される。コメント欄66は、教師が教師用端末30に付属する入力デバイスを用いてコメントを記入できる欄である。
【0040】
相対位置タブ65は、生徒の記述状況の、クラスにおける相対位置を示す情報を表示する。具体的に、相対位置タブ65には、その生徒による総記入時間と、記入が停止している時間を示す停止時間と、生徒が記述した文字の量を示す記述文字量と、複数の記入欄における生徒の記入位置の移動を示す記入欄の遷移(遷移回数)とが表示される。停止時間及び記述文字量については、クラス全体における順位も表示される。
【0041】
相対位置タブ65内には、ボタン67が設けられており、教師はボタン67を選択することにより、記入欄の遷移に関する詳細な情報を見ることができる。具体的に、ボタン67を選択すると、記入欄遷移画像71が表示される。記入欄遷移画像71は、答案画像61上に、生徒が解答を記述している記入欄の遷移を示す矢印72を示した画像である。具体的に、記入欄遷移画像71では、記入欄におけるまとまった領域ごとに、生徒による記述箇所の遷移が矢印72で視覚的に表示される。記入欄遷移画像71を見ることにより、教師は、その生徒がどのような順序で複数の記入欄に解答を記述していったかを知ることができる。例えば各記入欄が独立した設問の解答欄になっているようなテストでは、記入欄の遷移が多い場合、生徒は各設問についてなかなか解答を導くことができず、解答する問題を頻繁に変更しているのではないかなどの推測が可能となる。一方、複数の記入欄に関連する記述を行って全体として1つの解答を仕上げていくようなタイプのテストでは、記入欄の遷移が多いということは、複数の事項を相互に関連付けしながらうまく解答を作成できていると評価することができる。このように、記入欄遷移画像71を見ることにより、教師は各生徒が好ましい状態で解答できているか否かを知ることができる。
【0042】
相対位置タブ64とポートフォリオタブ65とは選択式となっている。ポートフォリオタブ65は、基本的にその生徒の過去のテストおける記述状況と、今回のテストにおける記述状況とを比較する情報を表示するものであり、生徒による記入時間の変遷、記述量の変遷、記入欄の遷移数の変遷をグラフなどにより示す。なお、図4の例では、相対位置タブ64及びポートフォリオタブ65は答案全体における記入時間及び記述量を示しているが、答案の記入欄A〜Dごとに記入時間や記述量を表示するようにしてもよい。
【0043】
(答案比較表示)
次に、答案比較表示について説明する。図3(A)に示すトップメニューにおいて教師が答案比較表示ボタン42を選択すると、図5に示す答案比較画像が表示される。答案比較画像の初期画像81では、複数の生徒の答案画像が並べて表示される。ここで、教師が入力デバイスを用いて何人かの生徒の答案画像を選択し、選択完了ボタン85を押すと、それぞれの生徒の答案画像のうち、見たい項目を選択するための項目選択画像82が表示される。本例では、答案用紙に記入欄A〜Dが設けられているので、例えば教師が各生徒の記入欄Bの記述内容を比較したい場合には、記入欄Bを選択する操作を行う。そして、教師が完了ボタン86を押すと、答案比較画像83が表示される。答案比較画像83は、初期画像81において教師が選択した複数の生徒について、項目選択画像82で教師が選択した項目(本例では、記入欄B)の記述内容を並べて表示した画像となる。こうして、教師は、複数の生徒の答案のうち特定の項目(記入欄)の記述内容を抽出し、並べて表示することができる。なお、答案比較画像83において、教師がボタン87を押すと、図3(A)に示すトップメニューの表示に戻る。
【0044】
(全体状況表示)
次に、全体状況表示について説明する。図3(A)に示すトップメニューにおいて教師が全体状況表示ボタン43を選択すると、図6に示す全体状況表示画像91が表示される。全体状況表示画像91は、成績情報92と、クラス平均情報93とを含む。成績情報92は、クラスに属する生徒全員についての氏名、記入時間、記入時間の順位、記述量、記述量の順位、記入欄遷移、記入項目チェック結果、点数を含む。ここで、記入時間はテスト開始から現在までの記入時間であり、記述量はテスト開始から現在までの記述量である。記入欄遷移は、生徒が解答を記述する記入欄の移動があったか否かを示し、記入欄遷移があった場合にその旨を示す色が表示される。記入項目チェック結果は、記入欄であるA〜D欄のそれぞれについて、キーワードなどの記入すべき事項が記入されているか否かの判定結果を示し、図4の採点情報62における「判定」の結果が「○」である場合に、記入項目チェック欄にOKを示す色が表示される。
【0045】
クラス平均情報93は、点数、記入時間及び記述量のクラス平均値とともに、それらの校内順位及び全校順位を含む。ここで、教師がクラス平均情報93の「記入時間」の箇所を選択すると記入時間タブ94が表示され、「記述量」の箇所を選択すると記述量タブ95が表示される。記入時間タブ94と記述量タブ95は選択的に表示が可能となっている。記入時間タブ94は、答案のA〜D欄のそれぞれについて、記入時間の分布をグラフにより示している。本例では、記入時間が「3分以内」、「3〜10分」、「10〜15分以内」である生徒の人数分布が円グラフにより示されている。また、記述量タブ95は、答案のA〜D欄のそれぞれについて、記述量の分布をグラフにより示している。本例では、記述量が「1項目」、「2項目」、「3項目」である生徒の人数分布が円グラフにより示されている。このように、全体状況表示により、教師は各生徒の成績、及び、そのクラスのクラス平均に関する統計情報を容易に知ることができる。
【0046】
[表示処理]
次に、本実施形態による表示処理について説明する。図7は、表示処理のフローチャートである。この処理は、生徒側の記入デバイス10から取得した記入データD1に基づいて、管理サーバ20が表示すべき情報又は画像を生成し、教師用端末30に送信して表示させることにより行われる。なお、実際には、この処理は管理サーバ20に設けられるコンピュータが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0047】
まず、管理サーバ20は、図3(A)に例示するトップメニューを教師用端末30に表示させる(ステップS11)。次に、管理サーバ20は、教師により記述状況表示ボタン41が選択されたか否かを判定する(ステップS12)。記述状況表示ボタン41が選択された場合(ステップS12:Yes)、管理サーバ20は記述状況表示処理を行う(ステップS13)。記述状況表示処理については後述する。
【0048】
一方、記述状況表示ボタン41が選択されなかった場合(ステップS12:No)、管理サーバ20は、答案比較表示ボタン42が選択されたか否かを判定する(ステップS14)。答案比較表示ボタン42が選択された場合(ステップS14:Yes)、管理サーバ20は答案比較表示処理を行う(ステップS15)。具体的には、管理サーバ20は、答案比較画像を生成し、図5に示すような答案比較表示を行う。
【0049】
一方、答案比較表示ボタン42が選択されなかった場合(ステップS14:No)、管理サーバ20は全体状況表示ボタン43が選択されたか否かを判定する(ステップS16)。全体状況表示ボタン43が選択された場合(ステップS16:Yes)、管理サーバ20は全体状況表示処理を行う(ステップS17)。具体的には、管理サーバ20は、全体状況情報を生成し、図6に示すような全体状況表示を行う。
【0050】
一方、全体状況表示ボタン43が選択されなかった場合(ステップS16:No)、管理サーバ20は終了指示があったか否かを判定する(ステップS18)。終了指示があった場合(ステップS18:Yes)、管理サーバ20は表示処理を終了する。一方、終了指示がなかった場合(ステップS18:No)、処理はステップS11へ戻る。
【0051】
図8は、記述状況表示処理を示す。記述状況表示処理では、管理サーバ20は、生徒の記入デバイス10から記入データD1を受信し(ステップS20)、受信した記入データD1からストロークを抽出する(ステップS21)。次に、管理サーバ20は、抽出されたストロークに基づいて個別添削を行い、各生徒についてのテスト結果情報を生成する(ステップS22)。次に、管理サーバ20は、抽出されたストロークに基づいて記述状況情報を作成し、図3(B)に示すように教師用端末30に記述状況表示を行う(ステップS23)。
【0052】
次に、管理サーバ20は、記述状況表示中に、教師によりいずれかの生徒の座席ボックス52が選択されたか否かを判定する(ステップS24)。座席ボックス52が選択されなかった場合(ステップS24:No)、処理はステップS20へ戻り、新たな記入データD1に基づいて内容を更新しつつ記述状況表示を継続する。一方、いずれかの生徒の座席ボックス52が選択された場合(ステップS24:Yes)、管理サーバ20は、その生徒について、図3に例示する個別生徒の添削画面を表示する(ステップS25)。
【0053】
次に、管理サーバ20は、トップメニューへ戻る指示があったか否かを判定する(ステップS26)。トップメニューへ戻る指示があった場合(ステップS26:Yes)、処理は図7に示すメインルーチンへ戻る。一方、トップメニューへ戻る指示がなかった場合(ステップS26:No)、処理はステップS20へ戻り、新たな記入データD1に基づいて内容を更新しつつ記述状況表示を継続する。
【0054】
[変形例]
上記の実施形態では、管理サーバ20と教師用端末30とを独立して設けているが、その代わりに管理サーバ20の機能を教師用端末30に含めても良い。図9は、この場合の遠隔授業システム100xの構成例を示す。図示のように、生徒側の構成は図1と同様であるが、接続デバイス12はネットワーク5を通じて教師用端末30へ直接記入データD1を送信する。教師用端末30にはテスト情報DB34及びテスト結果DB38が接続されており、教師用端末30は管理サーバ20が行っていた処理(図7、8の処理)を実行して記述状況表示、答案比較表示及び全体状況表示を行う。この場合、教師端末30は本発明の受信手段、記述遷移情報生成手段、記述状況情報生成手段、及び、表示手段の一例である。
【符号の説明】
【0055】
5 ネットワーク
10 記入デバイス
11a デジタルペン
11b タブレット
11c タッチペン
12 接続デバイス
20 管理サーバ
30 教師用端末
100、100x 遠隔授業システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9